2015年02月07日

「オーストラリア700キロ」選手たちの充実した表情にしびれる

NHK-BSでやっていた「オーストラリア700キロ」をみる。
クロコダイル・トロフィーとよばれるマウンテンバイクのレースだ。
山のなかや荒野を舞台に、
9日間で700キロをマウンテンバイクではしる。
オリンピック選手やプロだけでなく、
完走を目標にするアマチュアの参加もおおい。
43歳の女性タニさんはマウンテンバイクをはじめてまだ3年目だ。
60歳の女性も参加している。レースの服装をしてると、
そんな年齢にはとてもみえない。

番組は、日本人選手の池田祐樹さん(35歳)のうごきを中心に
9日間にわたるレースをおいかける。
マウンテンバイクのレースは、
ロードレースとくらべれば、手づくり感がある。
ロードレースをみていると、システムがすでにできあがっており、
ものものしくて、ちかよりがたい。
その点、マウンテンバイクはシンプルだ。
気力と体力の限界に挑戦するマウンテンバイクの魅力にひかれ、
わたしもあんなふうにはしりたくなった。

池田さんはプロとして参加してるのに、
外国人選手にちからまけしてしまい、自信をうしなってくる。
「コテンパにやられている」とさえない表情だ。
レースにつきそって池田さんをサポートしている奥さんは、
「たのしー」「すごい景色!」「きたぜ!オーストラリア!」と、
池田さんに気もちをきりかえてほしいという。
そうだよなー。スタート時(8時)の気温がすでに33℃だろうが、
コースがどんなにきびしかろうが、
まえむきにかんがえないとレースはつらいだけだ。
でも、レースの終盤で、池田さんは挑戦する気もちをとりもどす。
8ステージの途中からは、わきあがるようなエネルギーがおとずれたそうで、
自分でもおどろいていた。
最後まで全力をつくせたことに、池田さんは手ごたえをつかむ。

自転車のトラブルがうまくなおらず、いらついてわめきちらす選手もいた。
それだけ過酷で、極限状態においこまれるレースだ。
自転車がこわれ、50キロの距離をあるいた選手に
「あきらめないんですか?」と番組スタッフがたずねていた。
「あきらめない。このレースでは、かならずゴールしなけりゃダメなんだ」
とその選手はこたえている。
絶対にあきらめずに完走することだけをめざしている。
レース中に車で病院にはこばれたタニアさんは、
それでもつぎの日はまたはしろうとしていた。
「わたしは完走をこころからのぞんでいるのよ」
と、つよい気もちをうしなわない
(じっさいにはドクターストップがかかる)。

105人が参加して、16人がリタイアというタフなレースだった。
参加した選手たちのじゅうじつした表情がうらやましい。
なにかに挑戦してるひとたちはうつくしい。
「日常からすこしはなれて生きられる」
とレースの魅力をはなしている選手がいる。
彼らにしても、日常生活をつみかさねた成果として
このレースに参加しているはずだ。
日常で成果をつみかさね、すこし日常をはなれる、というサイクルがすてきだ。
わたしもまた、彼らのように全力をつくしてたたかいたいとおもった。
そうやって体力しょうぶの体験ができるうちに、
生きている充実感をあじわいたい。

posted by カルピス at 22:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする