2015年09月12日

『平成よっぱらい研究所』(二ノ宮知子)

『平成よっぱらい研究所』(二ノ宮知子・祥伝社)

『おすすめ文庫王国 2013年』の
「偏愛ベストテン・酒飲み本10冊」にえらばれている。
タイトルどおり、よっぱらいについての研究をまとめたもの、
といっていいかどうかすこしためらう。
これは研究だろうか。実態の報告だろうか。
ま、いいか、とあまりふかくかんがえずにさきをつづける。

じつは、この「まぁ いいか」も
報告1としてとりあげられている「よっぱらの悪いクセ」だ。
つぎの日
きのうのことを思い出して頭をかかえたのは
わたしだけだったのだろうか!?
でも・・・ まぁ いいか
だってよっぱらいだもん
きのうのわたしは よっぱらいであって
わたしじゃないのよ

本書はこうした24の報告と、
4つの特別報告から構成されており、
「未だ研究終わらず」という
まとめのような「あとがき」によっておわる。
「さ〜て飲みにいくかー」
「所長 朝からずーっとビール飲んでんじゃないですかぁ 13本」
「これはウーロン茶よ
 ビールという名のウーロン茶なのよ」

「でも所長 わたしたちもだいぶムチャしてますよ(中略)
 強い人ほど肝臓をこわすっていうし・・・
 血尿はでるし アルコール依存症になっちゃったり」
「わたしには神がいるから大丈夫!!
 酒の神バッカスが
 いつだってわたしを見守ってくれてるのよ」

二ノ宮さんのお父さんは、
むすめと おみあい相手3人で料亭へくりだし
いきなり「おちょうし50本!」と注文するようなひとだ。
そんな酒量をあたりまえとするひとたちが
すくなからずいるのに わたしは衝撃をうける。
酒のみとは わたしとぜんぜんべつの人種だ。
価値観も生態も、
なによりもからだのつよさがまるでちがう。

ところで、研究所なのだから
二ノ宮さんは本のなかで所長とよばれている。
この「◯◯研究所」とか「所長」「研究員」
というよびかたにわたしはひかれた。
本業はべつにあるけど、
興味・関心のおもむくまま、
まったくべつの「研究」にとりくむところがかっこいい。
このごろはやりの会社内部活動も、
「◯◯研究所」のながれをくむ
もうひとつのうごくではないだろうか。
会社のなかに映画部や読書部があったら、
わたしは本業から適度にちからをぬいて、
もっとながく会社をつづけられたような気がする。
そうしたときの「研究」は、
なかなか成果をあげられなくても すごくたのしそうだ。
本書による「報告」は、
あまりわたしに参考となるものではなかったが、
将来的にこうした研究所をかまえるヒントをえた。

この作品をかいたときの二ノ宮さんは、
『のだめカンタービレ』でうりだすより
ずっとまえの26歳。
つきはなしたいいかたをすれば、
わかさによる無知と体力により
こうしたばかさわぎをしばらくはつづけられる。
20年後のいま、もしおなじ調子で研究にとりくんでいたらたいしたものだ。
その後の報告をたのしみにしている。

posted by カルピス at 17:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする