『カラマーゾフの兄弟』をよんでいると、
しょっちゅうウォッカがでてくる。
ウォッカなんかふだんのまないのに、
わたしもなんだかほしくなってきた。
「カラマーゾフ」のひとたちは、
ひるまだって、平気でのんでいる。
ソーダでわった、なんてかいてないから、
そのまま口にほうりこむのだろうか。
透明なので、なんだか二日よいしない気がする。
寝酒の2杯めとしてウォッカ・トニックをつくってみた。
酒によわいわたしは、この2杯めの塩梅がむつかしい。
のむ時間がおそいと、つぎの日までのこってしまうので、
ごくうすくつくる。
泡盛はあきらかに二日よいしにくい。
でも、ウォッカはしっかりのこった。
アルコール度数がちがうのだから
差がでるのはあたりまえだ。
こんなのをしょっちゅうカパカパやって、
ロシア人のからだはどうなっているのか。
とはいえ、「カラマーゾフ」の世界を味わうには、
ウォッカ体験をもっていたほうが いいようにおもう。
仕事でお世話になっているひとから、
いくつかの「鷹の爪グッズ」をもらった。
あるツテからプレゼントされたそうで、
自分の家ではだれもよろこばないから、と
袋ごとわたされる。
島根でも、こんなことはめったにない。
マグネットシートやふでばこにポーチ。
なんだかわけのわからない敷物もはいっている。
ふでばこには全面に「鷹の爪」のメンバーがかかれているので、
いいとしこいて、とてももちあるけない。
実用からはなれているのがいいかんじだ。
そういえば、わたしは「カラマーゾフ」をよんでいるとき、
フョードル(お父さん)がでてくると、
鷹の爪の総統が頭にうかんできた。
総統は、すごくやさしいひとなのに、
外見だけをみると、いかにも悪の秘密結社だ。
総統が敷居をひくくしてくれたおかげで、
わたしは「カラマーゾフ」をすらすらよめたのかもしれない。
年おいて、介護が必要になっているネコのピピが、
このごろふとんのなかでおしっこをする。
まえは夜中におこされてトイレにつきあわされるので
文句をいっていたけど、
ふとんのなかでされるのはずっとたちがわるい。
わたしのパジャマもおしっこでぬれている。
でもほんとうは、ふとんではなく寝袋でねているし
(被害をみこんで)、
トイレシートもしいてあるのでたいした被害はない。
淡々と処理をして、またふとんにくるまる(こんどは本物)。
だんだんと介護生活になれつつある自分を得意におもった。
「カラマーゾフ」と鷹の爪だけでは
なんだかおさまりがわるいような気がして、
むりやりピピのはなしをねじこむ。
意味のなさが鷹の爪的かもしれない。