2015年11月02日

『マイ・ブルーベリー・ナイツ』

『マイ・ブルーベリー・ナイツ』(ウォン・カーウァイ監督・2008年)

『ホテルローヤル』(桜木紫乃)にでてきた映画だ。
ホテルローヤルをたたみ、これからひとりでくらそうとする雅代に、
業者の宮川がたずねる。
「これからどうするんですか。すむ場所や仕事はもうお決まりですか」
「どっちもない」(中略)
「さっき、屋根の上を鶴が飛んでた。あんなふうにしばらくのあいだ、車であちこち行きながら、住みたい場所を探そうかなって思ってるの。冬まではまだ間があるし。なんだか夢みたいな話でしょう」(中略)
「女の人ひとりで、そんなあてのない暮らしができるもんでしょうかね」
「宮川さんは『マイ・ブルーベリー・ナイツ』って映画観たことない?ノラ・ジョーンズが出てるやつ。ああいうのをイメージしてるんだけど」

ネットをみていたら、利根川健一さんが
とてもうまくこの作品をあらわしている。
http://ren-ai.jp/5583
なぜ「ブルーベリーパイ」なのかもよくわかる。
1シーン1シーンがとてもお洒落で、お洒落なフリをしたい人にもお勧め(笑)。「失恋して、旅に出て、変わって、戻ってきたが今までと違うぞ!」みたいなよくある話なんですよ。でもね、

そう。でもね、からがこの作品のもち味で、
ああだこうだいうのはヤボになる。
ノラ=ジョーンズのきまじめそうな表情がよかった。
どこかの町で、淡々と日課をこなし
しずかに生きるのもわるくないな、なんて
たしかにおもえてくる。

みおわったあとで、
オーティス=レディングのレコードをききながら
ウィスキーをのむ。
ジェレミーがエリザベス(ノラ=ジョーンズ)をさがして
メンフィスじゅうのカフェに電話をすると、
どの店もフライドチキンの注文とまちがえるのがおかしかった。
ブルーベリーパイは、あしたさがしてみよう。
いつもながら影響をうけやすい。

posted by カルピス at 11:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする