先日おこなわれたWカップアジア2次予選、
対カンボジア戦は めずらしい試合だった。
2-0でかったとはいえ
内容にはおおいに不満がのこる試合。
それでいて、全体としてはさわやかな印象がのこる。
プノンペンにあるオリンピックスタジアムは、
5万5000人のお客さんでにぎわった。
中東なんかだと、日本のプレーにはげしいブーイングをあびせたり、
ファインプレーも無視したりと、
アウェイ感いっぱいの試合になるところだけど、
カンボジアはまったくちがった。
スタンドからの声援が、すべてのプレーにむけられる。
自分の国の選手たちを応援しつつ、
日本の選手たちのプレーにも歓声をあげる。
サッカーをたのしんでいるのが、
テレビをみていてもつたわってくる。
試合がおわったとき、
2-0でかったにもかかわらず、
ハリルホジッチ監督はベンチにすわり
うなだれていた。
インタビューにこたえる岡崎も、
めずらしくいらだったようすをみせる。
それほどこの試合はおもったようにいかなかった。
チャンスをつくれないばかりか、
あわやというあぶないカウンターをなんどもあびる。
FIFAランキング183位のはるか格下が相手なのに(日本は50位)、
日本のふがいなさだけが目だつ。
なれない人工芝と、はじめてのボール(おもそうだった)に
日本の選手はやりにくそうだ。
でも、そんなことはアウェイで試合するからには
あたりまえの状況にすぎない。
カンボジア選手たちは、かちにこだわるというよりも、
いまの自分たちにできる精一杯のプレーをしようとしていた。
戦術がどうこうではなく、
サッカーをたのしんでいるのは
あきらかにカンボジアのほうだった。
はるか格下だと、相手をみくだしていた日本と、
日本をリスペクトしつつ、
自分たちのもち味をだしきったカンボジア。
Wカップをめざしながら
おもうように強化がすすまずに 欲求不満ぎみの日本は、
ひとり相撲をとっているみたいだ。
ゴチャゴチャと余計な情報にふりまわされ、
ひとりでりきみ、ひとりでずっこけている。
自分たちのたっている場所をみうしない、
不満ばかりをくちにする日本の選手たち。
カンボジアのサッカーを応援したくなった。