1月号といえば、ことしのベストテンがのる号だ。
例によって熱がはいっているのか
テキトーなのかわからない座談会により、
ベストテンがきめられていく。
今回は、わけのわからない理由でのゴリおしはなく、
全員が納得しつつのベストテンえらびになっている。
もしかしたら『バーナード嬢曰く』の名前があがってくるのでは、
と期待してたけど、だれも推薦してくれなかった。
ベスト1は、わたしがまったくしらなかった本で、
(主人公は)三十路半ばなのにいまだ迷えるおじさんで、
俺はどうしたらとか、彼女もいないしとか悩んだりしていて。
とわたしにあいそうな冒険小説だ。
訳してるのがコーマック=マッカーシーでおなじみの
黒原敏行さんなので信頼できる。
『本の雑誌』ですこしまえから気になっている連載に
「そばですよ」がある。
今回が8回目なのに、本はまったく登場せず、
ひたすら たちくいソバのお店が紹介されている。
連載がスタートした号をひっぱりだしたけど、
とくになんの説明もなく、
いきなりたちくいソバ屋さんがでてくる。
「雑誌」なのだから、なんでもありなわけで、
本がでなくても かまわないという方針に好感がもてる。
要はおもしろければよく、
毎回いってみたくなるお店が紹介されているので、
連載の役目をはたしているといえる。
本と関係のないはなしが8回目となり、
こういうのもありだなと、あたりまえにおもえてきた。
ふところのふかい雑誌だ。
たぶん、それとこれとは関係ないとおもうけど、
菊池寛賞の受賞をいわうオビが 1月号についている。
40年もおもしろい本を紹介しつづけてくれたのだから、
なんらかの形で評価されて当然だろう。
ネット界から「デイリーポータルZ」がなくなったらこまるように、
『本の雑誌』がよめない本の世界は想像したくない。
1月号にのる各ジャンルのベストテンと、
『おすすめ文庫王国』でえらばれた本をみながら、
一年をふりかえり、これからよむ本の参考にする。
わたしの2015年の3冊は、
『その女アレックス』(P=ルメートル)
『平原の町』(コーマック=マッカーシー)
『ハートブレイク・カフェ』(ビリー=レッツ)
という一年だった。
どれも なんちゃってベストで、ことし出版されたものではない。