2015年12月22日

なんちゃって自然農法でお米がつくれるか?(まとめ)

1.はじめに
まえからお米をつくりたいとおもっていた。
おなかをすかせたくないから。
もし異常気象がおきて、
外国から食糧が輸入されなくなっても、
とりあえずお米をたくさんたくわえていたら安心だ。
いきるうえで、じゅうぶんなたべものこそ、
なによりも大切なおさえどころであり、
こころのゆとりも そこからうまれてくる。
稲穂.jpg
たわわにみのったイネ。この写真だけをみると成功だけど・・・

2.お米づくりはむずかしいか?
農業、とくに米づくりというと、
勤勉や苦労とセットでとらえられており、
かるいのりをこばむ雰囲気がある。
もっといいかげんな気もちでとりくめないものか。
米づくりと道徳とは関係がない。
苦労せず、かんたんにお米がとれたほうが いいにきまっている。
「こんなに楽して できちゃった」という米づくりを
わたしはめざしたい。

3.自然農法での米つくり
そんなときにぴったりなのが、
自然農法による米つくりだ。
自然農法は、いろんなかんがえ方がある。
かんたんにいえば、自然にまかせて作物をつくる方法といえる。
人間が、なんだかんだと手をださなくても、
作物はちゃんと自分でそだつちからをもっている。

その自然農法でお米をつくってみた。
自然農法の理論を正確に理解しているわけではなく、
なんちゃって自然農法といったほうがいいだろう。
楽なところばかりをとりいれた。
オリジナリティはまったくないけれど、
楽をきらう米づくりの世界では、
こうしたこころみも、なんらかのデーターになるだろう。

参考にしたのは、福岡正信さんが かんがえだしたやり方だ。
福岡さんは、自然農法の世界で超有名なひとだけど、
ここではかんたんな紹介にとどめる。
土をたがやしたり、田うえをしなくても
お米がつくれることを ぜひ証明したい。

福岡さんによる自然農法の特徴は、

・土をたがやさず
・草をとらず
・肥料をやらず
・農薬をつかわない
・粘土団子によるじかまき

という点にある。
たがやさないからトラクターはいらないし、
農薬や肥料をかわなくてもいいから
お金もかからない。
「粘土団子によるじかまき」とは、
粘土にタネもみをまぜて団子にし、
それを田んぼにばらまくやり方だ。
つまり、田うえをしないので 田植機もいらない。

やってみるとわかるけど、
しろうとがお米をつくろうとした場合、
自然農法がいちばんはじめやすい。
機械がなくてもいいし、お金もかからない。

4.じっさいにつくってみて
【田んぼをかりる】
もしかしたら、米つくりのいちばんやっかいなハードルは、
田んぼをかりることかもしれない。
わたしの場合はしりあいの紹介で、
何年かほったらかしてあった田んぼをかりられた。
7アールのひろさなので、うまくいけば
家族4人が一年間たべられるだけのお米がとれる。
5年間無料という ありがたい条件で契約をむすぶ。
田んぼ.jpg
草だらけの田んぼ。このままの状態でタネをまく。

【タネまき】
タネを粘土団子にするのは、
鳥や虫にたべられるのをふせぐためだ。
その粘土団子づくりが、あんがいうまくいかない。
うさぎのエサのぺレットみたいなかたまりをつくりたかったのに、
なんだかグチャグチャのチョコフレークみたいなのができた。
田うえをしないので、花さかじいさんのように、
パラパラっとこのチョコフレークを 田んぼにまく。
ほんの20分ですんだ。
ほんらいなら田植は米づくりでいちばんたいへんな仕事なのに、
それがたった20分なのだから すごく楽だ。
でも、土に土をまいただけだから、
みためにはなんのかわりもない。
これでちゃんと芽がでるのかと、
ひじょうにこころもとない。
粘土団子.jpg

【芽がなかなかでない】
雑草のなかに粘土団子をまいたので、
なにかの苗がそだっていても、
どれが雑草でどれがイネなのかわからない。
はじめはぜんぜんイネが芽をだしていないのかと心配した。
だんだんと苗がおおきくなるにつれて、
イネと雑草との区別がつくようになる。
みためにも発芽にむらがあり、
イネがはえているところと、
そうでないところの差がおおきい。
タネのまき方と、水のやり方に問題があったのかもしれない。

【田んぼがいいかんじ】
いきものがたくさんすむ田んぼはうつくしい。
おたまじゃくしがおよいでいるし、ゲンゴロウもいる。
へびだって なんどもみかけた。
イネの数はすくないかもしれないけど、
田んぼの風景としてはすごくいいかんじだ。
動物たちがよろこんでいるような気がする。
穂.jpg

【収穫】
順調にイネがそだち、10月の下旬にカマでイネかりをする。
場所によってはほかの田んぼにひけをとらないほど、
たくさんイネがはえているところもあるけれど、
そうでない場所のほうが圧倒的におおい。
たいした量がないので、いちにちでイネかりがすんだ。
たばねたイネをハデにかける。
2週間ほどほして、イネをかわかす。
乾燥したイネを足踏脱穀機にかけて
ワラからモミをはずす。
このために3万円で足踏脱穀機をかった。
米づくりでいちばんたかいかいものとなった。
収穫.jpg

足踏脱穀機.jpg
足踏脱穀機。足でペダルをふみ、ドラムをまわすしくみ。

【収量】
2.7キロのタネをまいたのに、
たった18キロのお米しかとれなかった。
およそ6.7倍にしかなっていない。
かんたんにお米ができた、というには
ちょっとくるしい量だ。
でも、たいした世話をしなかったのだから、
こんなものかという解釈もできる。

5.まとめ
自然農法のかんたんさを証明したかったのに、
今回はなかなかうまくいかなかった。
でも、農薬をやってないのにもかかわらず、
病気にならなかったし、虫にもやられなかった。
草とりだって そんなに一生懸命やったわけではない。
収量のすくなさは、肥料や農薬をつかわなかったからではなく、
発芽がそろわなかったことと、
水のやり方に問題があったからだ。
芽がでさえすれば、あとはほっといてもイネがそだった。
来年は、きっと10倍ぐらいたくさんのお米がとれるはず。
ごはん.jpg

posted by カルピス at 06:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 農的生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする