ジョギングするときは、iPodにいれたロックをきいている。
わたしは音楽にあかるくないので、以前ラジオでやっていた
『とことん暑苦しい音楽』を参考に、
70曲ほどをユーチューブからiPodにとりこんだ。
この番組は、DJホットマン氏が
「暑苦しい」曲をとことん紹介したものだ。
ほんとは、それがロックなのかジャズなのか、
ポップスなのか あるいはソウルなのか、わたしはよくわからない。
やかましいのがハードロックで、
そうでないのはジャズかな?くらいなとらえ方だ。
なにをきいてもよくわからないわたしにとって、
ぜんぶをごちゃまぜにながしてくれた『とことん暑苦しい』は
ありがたい番組だった。
紹介される曲は、いかにもジョギングむきで、
はしっていると、ホットマン氏の「暑苦しい」声をおもいだす。
はしりながらきくのだから、
はやいテンポの曲ならなんでもいいかというと、
これが意外とむつかしい。
体調によってヘロヘロでしかはしれないときは
(そういうときがおおい)、
ハードな曲は音楽にたきつけられるようで、かえってしんどい。
そんなにあおらないでよ、といじけてしまい、
ダラダラはしりたくなる。
その日の調子によって、ハードロックにするか、
かるいアップテンポの曲にするかを
えらんだほうがいいのだろうけど、
そこまでこまかく編集してないし、体調もつかみにくい。
はしりだしたら調子がでてきた、
なんてときもあるので、どんなタイプの曲がむいているかは
あんがいそのときしだいだ。
ロックでも、たとえば
ディープ・パープルの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」をきくのと、
おなじ曲を王様が直訳の日本語でうたう「湖上の煙」とでは
だいぶ印象がちがってくる。
へんに意味がわかると、頭が歌詞をおいかけてしまい
はしるのにはじゃまになりがちだ。
こういうのは、はしったりしないで、
じっくりきいたほうがいいようにおもう。
まえに「ランニングむきのクラシック」というのを
ためしたことがあるけど、
どこがランニングにむいているのか
ぜんぜんわからなかった。
わたしにとってクラシックはどこまでもクラシックだ。
かなり上級レベルのランナーでないと、
クラシックをきいたからといって
いい気分ではしれないのではないか。
ジムで自転車をこぐときには、
あんがい落語がぴったりくる。
それだけたいした運動量ではないのだろう。
とまっている状態、というのも
落語にあっているのかもしれない。
そとで自転車にのっているときは、
落語をききたいなんてとてもおもわないのに、
ジムの自転車では耳をかたむけられる。
「およぎながらきけるiPod」が開発されたら
単調な水泳にはありがたいかもしれない。
英語の教材をiPodにいれてためしたことがあるけど、
これはすぐにいらついてきた。
はしっているときに、勉強で頭をつかいたくない。
散歩なんかのゆっくりしたうごきには あっているかもしれない。
わたしがiPodにいれたのは
DJホットマン氏がランダムに紹介したものだから、
曲のながれになんの脈絡もない。
はじめからシャッフルされているようなもので、
iPodからは まったくちがうタイプの曲がつぎつぎにかかる。
「暑苦しい音楽」によるプレイリストは、
ジャンルをこえた ひろい音楽の世界をたのしませてくれる。
音楽に初心者のわたしには、まったくありがたい番組だった。