2016年01月29日

荻原魚雷さんの「日常学事始」第23回は「銀シャリとTKG」

荻原魚雷さんの「日常学事始」第23回に
「銀シャリとTKG」がのった。
http://www.webdoku.jp/column/gyorai/2016/0129_144028.html
TKGとは、たまごかけごはんの略なのだそうだ。

「日常学事始」は、ひとりぐらしをはじめるときの
ささやかなポイントがおさえられている。
第1回目は「まずはお茶から」はじまった。
ひとりぐらしをするひとに、
いきなり自炊をすすめるのではなく、
荻原さんは お茶をいれる習慣からはいるよう提案している。
これくらいひくいところからなら、
だれにでもはじめられるだろう。
冬にはあついお茶をいれ、夏にはひやした麦茶が冷蔵庫にあれば
お金の節約にもなるし、お茶をいれる習慣が身についてくる。
お茶が生活にリズムをうみだし、
みだれがちな生活におちつきをあたえる。

そんなふうに、お茶からゆっくりはじまった連載が、
23回目で とうとうお米のたき方まですすんだのは感慨ぶかく、
まことにめでたい。
ごはんがたけるようになれば、もうりっぱなひとりぐらしといえる。
今回の記事は、この連載の、集大成となるのではないか。

といっても、記事の内容は
ごはんのたき方と、ごはんがたいてあれば、
どれだけ便利かというはなしにとどめてある。
たき方にしても、
お米をザルでとぎ、30分くらい水にひたしておくくらいしか
おさえるポイントはない。
要は、お米がたけたらいいわけで、
自炊をはじめようとするひとが気らくにとりくめるよう
余計なプレッシャーはさけてある。
こむずかしいコツをいいだすと、どんどんめんどくさくなり、
ひとりぐらしの敷居がたかくなるだけだ。

そうやって、お米がたけさえすれば、
あとは、たいたごはんがあると
どれだけたすかるか、というはなしになる。
まったく、たきたてのごはんくらい おいしいものはない。
たまごかけごはんや納豆ごはんはいうまでもなく、
バターごはんにも つよい魔力がある。

わたしのおすすめは、
どんぶりにつくった たまごかけごはんからスタートし、
たまごの部分がへってくると ふりかけをたし、
ふりかけがすくなくなると、うめぼしをのせる。
たまご・ふりかけ・うめぼしを、
いちどに全部いれるのではなく、
すこしずつたしていくのがポイントだ。
それらのおかずがあまったら、ごはんをおかわりすればよく、
どんぶりのなかで、ごはんとおかずのバランスが
いつまでも良好な状態でたもたれ、
ついたべすぎてしまう。

ごはんがひえてしまっても、
いまは電子レンジがあるから ぜんぜん問題ない。
いつでもあつあつのごはんがたべられる、
もしかしたら現代は、人類がはじめて手にいれた
夢のようなごはんの時代かもしれない。
ごはんをたくのがめんどくさいときのためには、
冷凍ごはんがあるとチャーハンを作ったり、うどんや鍋の残りをつかって雑炊を作ったりするときにも重宝する。

とにかく、ごはんがあればなんとかなる。
ごはんがあれば心配ない。
ごはんさえあれば なにがおきても大丈夫だ。
せっかくのごはんの時代なのに、
炭水化物をじゃまものあつかいするなんて、
なにかかんちがいしている。
ごはんへの敬意がたりないのではないか。

わたしの家では、朝と夜にごはんをたく。
めんどくさがりやのわたしでも、
お米をたくのは 炊飯器がやってくれるので なんでもない。
朝、たきたてのごはんがあれば、
ひとつめのしあわせが約束されたようなものだ。
ごはんをたべてから、バターつきトーストへとすすむ。
ごはんからすべてがはじまる。

posted by カルピス at 22:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本の雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする