2016年03月04日

オリンピックアジア最終予選で対中国戦にやぶれる

女子サッカーオリンピックアジア最終予選、
6チームでおこなわれる総あたり戦で、
これまで1勝1分の日本は、
自力での出場をすでにとざわれている。
きょうおこなわれる中国戦にかてば、
かろうじて首の皮いちまいでつながるかっこうだ。
その中国戦に、日本は1-2でやぶれた。
まだ可能性がゼロではないらしいけど、
実質的には奇跡にかぎりなくちかい。

これまでの3試合、日本は日本らしさを発揮することなく
ランキングでは格下のチームをあいてに かちきれなかった。
1試合目のオーストラリア戦は、
阪口のパスが審判の頭にあたり、
それがまた相手にとって絶妙な前線へのパスとなってしまい、
2点目につながった。
この場面だけをみると、日本は運のなさにやぶれたみたいだけど、
試合全体をとおして日本は「らしくない」プレーがめだった。
まけるべくしてまけた印象がつよい。
ホームでの重圧に、おちつきをなくしていたのか、
ミスがおおく、選手どおしの意志がかよわない。
オリンピック出場を、当然のミッションとして
かせられている「なでしこ」は、
おもいどおりプレーできないもどかしさが悪循環となり、
チームとしてのまとまりがみられない。
審判がはなった相手への 絶妙なヘディングパスがなくても
試合の結果はかわらなかっただろう。

そしてきょうの中国戦。
かち点3が絶対に必要な試合なのに、
ミスがらみで相手に先取点をゆるす。
キャプテンの宮間は、いつもの彼女とは別人のようだ。
ひとりからまわりしているかんじで
ミスがおおく、セットプレーでも精度をかいている。
彼女の余裕のなさが、
チーム全体のおちつきをなくしているようにみえる。
横山のシュートがきまり、1-2においあげたものの、
さいごのところで精度をかいて 追加点がうばえない。
おしぎみに試合をすすめながら、
肝心なところは 相手にうまくまもられてしまった。
前線にロングパスをおくりつづける彼女たちが
いたいたしかった。
組織されたパスサッカーで
世界から賞賛された日本女子サッカーが、
まさか くるしまぎれのパワープレーに すがるしかないとは。

3試合をおえた時点で まさかひとつの勝利もなく、
なによりもチームとしてのまとまりさえままならない。
対オーストラリア戦も、きょうの中国戦も、
運がわるくてかてなかったのではなく、
総合力として 日本は相手チームよりおとっていた。

5年前のWカップドイツ大会の優勝により、
日本女子サッカーは世界から注目をあつめた。
日本でも、「なでしこ」はブームとなり、
彼女たちのひたむきなプレーは
大震災でちからをおとしていた日本に
希望と勇気をあたえてくれた。
わたしもまた、あのときから「にわかファン」として
彼女たちのプレーに胸をあつくしたひとりだ。
ねばりづよくはしりまわるプレーで
彼女たちのサッカーは みるもののこころをとらえた。

ロンドンオリンピックでは 銀メダルにおわったものの、
決勝戦にやぶれながら すぐに気もちをきりかえ、
よき敗者としてふるまった。
彼女たちのひたむきなプレーとあかるさは、
「かつ」だけが大切ではないことを
世界にしめしてくれた。

きょねんおこなわれたWカップカナダ大会では、
なんとか2位におさまったものの、
もはや日本のパスサッカーが
世界の強豪をあいてに 通用しないことがあきらかとなる。
世代交代がおもうようにすすまず、
主要メンバーは2011年の遺産にたよったままだ。
世界からおいつかれるのは 時間の問題だった。
そして今回のオリンピック予選。
格下の国が相手でも、すんなりかてない現実から
日本は再スタートをきるより道はない。
きょうの敗戦を、日本女子サッカーが生まれかわるための
屈辱の日として記憶したい。

posted by カルピス at 22:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 女子サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする