2016年03月11日

たきだしで煮こみラーメンをつくる

5年目の3月11日をむかえた。
職場では、大震災をわすれずに、
自分たちのこととしてとらえようと、
たきだしでラーメンをつくる。
利用者と職員をあわせて16名にたいし、
みそラーメン3袋・煮こみラーメン1箱、
キャベツ3玉とニンジンが3本。
160311たきだしラーメン.jpg
庭でコンロに火をおこし、鍋をかける。
つかいこんだ鍋はボコボコで、いかにもたきだし風だ。
雰囲気だけでなく、穴があいているのがわかり、
とちゅうでほかの鍋にかえる。
するとそれにも穴が、と
非常時のたきだしを体験するには 絶好のアクシデントだ。
とはいえ、いまさらどうしようもなく こまっていると、
布のガムテープを鍋にはれば
水もれがとめられると、スタッフの女性がおしえてくれた。
家でよく急場をしのいでいたそうだ。
とても重要な知識だけど、いまからは間にあわない。
きょうのところは もうひとつ鍋をさがしてのりきる。

キャベツをきっているときには、
いくらなんでも3玉はおおすぎるだろうとはなしていたのに、
鍋にいれ、ラーメンをくわてみると、きっちりおさまった。
おこのみやきで体験したのとおなじように、
キャベツはいくらたくさんにみえても
主役(ここではラーメン)にあわせて自由に姿をかえ、
なんとなくピッタリになってしまう不思議なたべものだ。

あるもので対応するのが 震災でのたきだしでは大切だろうから、
すくなすぎるラーメンと、ふつりあいに大量のキャベツで
なんとか16名の胃袋をなだめなければならない。
あれがない、これではすくなすぎる、なんて
いってられないのだ。
あるものでなんとかするよりなく、
そうした意味において、
きょうのたきだしは よい体験となった。
なによりも、不平をいうひとはだれもおらず、
できたものをありがたくいただこうという姿勢が
全員に共通していた。
さむいなか、あつあつのラーメンをたべられるだけでも
どれだけありがたいことか。

利用者の方たちも、おどろくほどよくたべてくれた。
みそ味と、カレー味の両方とも、ほとんど鍋がからっぽになるほど
おかわりをかさねる。
これだけでお腹いっぱいになり、
おひるのお弁当は とてもたべられないだろう、
とはなしていたのに、影響があったひとはだれもおらず、
ラーメンはラーメン、お弁当はお弁当と、
完全に胃袋をわけてとらえられており、
いざというときにも たよりになりそうな健全な食欲だった。

きょうのたきだし体験で、
さむい日にたべる煮こみラーメンのありがたさと、
そのあとにいつものお弁当があっても
それはそれで おいしくいただけることがわかった。

posted by カルピス at 20:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 料理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする