2016年04月07日

むすこがいないと 献立がきまりにくい

むすこが進学のため広島へいってしまい、
食事をつくる感覚がくるった。
何日かまえには、ハンバーグのつもりでかいものにいき、
きゅうに明太子スパゲッティもいいなーと気がかわり、
なにを血まよったか、いっしょにタジンも、とひらめく。
タジンは45分くらいかかるので、無理なメニューなのに。
タジンといっしょにつくったのが、
きんぴらごぼうにモヤシと高菜づけのいためもの、と
わけがわからない。
これもみんなむすこがいなくなったせいだ。
いなくなれば メニューがきまりやすくなるかとおもったら、
メインがさだまらないまま 混乱してスーパーをうろつく結果、
いつもにまして脈絡のない献立になる。

むすこは部活をしなかったし、塾にもいかなかったので、
夕ごはんの時間になると、家族がいっしょにテーブルについた。
家族の中心は、家長ではなく子どもなのだ。
なにをはなすわけではなくても、
とにかく家族いっしょの食事をつづけてこれたのは
むすこのおかげだ。
むすこがいなければ、きょくたんにいうと
わたしと配偶者、それにわたしの母親が、
のこりものをそれぞれべつべつにたべても(いわゆる個食・孤食)
問題はない。
そうなれば、楽でいいかとおもっていたけど、
いまだにピントのずれたメニューがつづいている。

今夜は小アジのフライをつくる。
町をぶらついていたとき、
居酒屋のメニューがおもてにはってあり、
「いわしフライ」にわたしのなにかが反応した。
いわしフライとフライドポテトにレモンをギュッとしぼり、
パンと白ワインでガツガツたべたくなる。
『異邦人』でムルソーがマソンの別荘でたべた昼食みたいに。

海岸でおよいだムルソーが
マソンの別荘にもどると、ちょうどおひるの準備ができていた。
大へんおなかがすいたと私がいうと、マソンはすぐ女房に、このひとが気に入ったといった。パンがうまかったし、私は自分の分の魚をがつがつたべた。それから肉や揚げたじゃがいももあった。誰もかも、ものもいわずにたべた。マソンはよく酒をのみ、いくらでも私についだ。

きょうのスーパーには、いわしがなくて、
下処理をした小アジが200円ほどでおいたあった。
ゼイゴだけとりのぞき、小麦粉をまぶしてあげる。
じゃがいも4つをフライドポテトにする。
レモンをしぼり、やすい白ワインもテーブルにならべた。

ムルソーがたべた昼ごはんのなかで、
意外と手にはいらないのが
ふつうにうまいフランスパンだ。
きょうはソースとチーズだけのピザをやいて、
フランスパンのかわりにした。
ところどころ『異邦人』とはちがう献立だけど、
イメージのいわしフライが、
現実の夕ごはんになったのに満足する。

今夜のメニューで問題だったのは、
小アジのフライがメインなのに、あわせて
・小松菜とうすあげの煮物、
・白菜の卵とじ
をつくったことだ。
このおかずで 茶わん1杯のごはんをたべてしまい、
魚のフライをガツガツたべるイメージどおりにいかなくなった。
むすこがいない混乱は、まだつづいている。

posted by カルピス at 23:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | むすこ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする