「オトナの社会科見学」で、90歳以上でも、
すごくげんきに仕事をされているおとしよりがとりあげられていた。
京都の山奥でくらすおばあさん3人組は、
とちモチをつくり、イベントにでかけてうっておられる。
3人とも、スクーターにのって自由にうごきまわる。
ほかにも94歳の床屋さんや、
90歳でピザをやくおばあさんが紹介された。
はたらいているからか、みなさん とてもしっかりされている。
96歳で現役の時計職人をされている方は、
電子時計以外はどんな時計でも修理できるといわれる。
年をとってもがんばってるねと、おなさけではなく、
たかい技術がほんとうにもとめられ お客さんがやってくる。
96歳としらされなければ、とてもそんな年にみえない。
すたすたあるけるし、自転車にものれる。
取材するひととのやりとりもしっかりしていて、頭の回転がはやい。
60mを全力ではしれるし、3キロの玉を 砲丸なげで5mちかくなげる。
キビキビとした身のこなしと、やわらかなうけこたえは、
70代といっても通用するだろう。
フランク=ダラボン監督の『グリーンマイル』
(原作はスティーブン=キング)に
年をとっても老化がすすまない男性がでていた。
96歳の時計屋さんは、ちょうどそんなかんじで、
あるときから 年をとるのをやめたようにみえる。
70になると背がまがり、よぼよぼのあるき方で、
頭はいつもモヤがかかったようにたよりなく、
ひとの手をかりて やっとこさ生きながらえている、
そんなイメージを、わたしは老人にたいしてもっていたけど、
あんなにげんきなおとしよりが、ほんとうにいるのだ。
わたしが日常的にみかけるおとしよりと、
なにかが決定的にちがっている。
番組は、ながいきの秘訣や、健康法について、
こまかな点にはふれていない。
ただ、こんなにもげんきなおとしよりがいるという
紹介にとどめているのがよかった。
わたしのまわりには、90になってなお、
あんなふうに いきいきとはたらいているひとがいないので、
紹介される老人たちの姿にとてもおどろいた。
あのひとたちは、なにかをしてもらうだけではなく、
だれかからあてにされている。
仕事をつづけ、ひとから必要とされるのが、
生きるうえでとても大切みたいだ。
わたしは、90歳までいきるなんて、かんがえたことがないけれど、
あのひとたちみたいにげんきなら
ながいきもわるくなさそうだ。
自分がどんな老いをむかえるのか
すこしたのしみになってきた。