気のよわいわたしは、なにかとひとの顔いろをみて
はなしをする傾向がつよい。
相手が期待しているこたえを口にしがちだ。
いいにくいことほど はっきりいわなければならないそうだけど、
わかっていながら やっぱりいえない。
権威的なひとはきらいなので、
ちかよらないから害はないとして、
威圧感のあるひともにが手なので、
堂々とただしいことをきっぱりいわれると、
お腹のなかはそうでないのに、口についてでることばは、
つい そのひとにおもねる発言になってしまう。
相手が気にいりそうなことをいって
ごきげんをうかがう 太鼓もちみたいな自分がかなしい。
で、あたまにうかんだのが、
「おもったことをそのままつたえる会社」の設立だ。
たとえばお寿司屋さんが自分の店への評価をしりたいとき、
お客さんに直接たずねたって
なかなかほんとうのところはわからない。
面とむかってほんとうのことはいいにくいので、
あたりさわりのない意見ばかりがきこえてくる。
居酒屋が、ご意見ノートみたいなものを用意しても 効果はうすい。
かんたんにお客の本音をしろうとする かまえからしてまちがっている。
そんなとき「おもったことをそのままつたえる会社」へ
仕事をたのむと、
ふつうのひとがそのお店でたべたときに、
どんな感想をもったかを 率直におしえてもらえるわけだ。
お店とまったく関係のない第三者なので、
いいにくいことでも「仕事」としてそのままつたえる。
「おもったことをそのままつたえ」たらいいので、
事前のうちあわせはかんたんそうだし、
評価をつたえるときも、遠慮しなくてもいい。
プロフェッショナルのこまかな分析ではなく、
一般人のもやもやとした胸のうちこそに価値がある。
遠慮しないでつたえるのが仕事であり、
相手も それを承知のうえで依頼しているのだから、
気のよわいわたしにも つとまるのではないか。
問題は、そんな会社に
どれだけ仕事の依頼があるかということで、
たいして関係ない第三者から、
おもったことをそのままいわれて
とどめをさされるような気がする。
おもったことをそのままつたえるのは得意でも、
おもったことをそのままいわれるのはにが手なのだ。