本屋さんをぶらついていたら、
『クソアニメと呼ばれて10年』
〜『秘密結社鷹の爪』10年史〜が目についた。
A4サイズのムック本で、
税別1400円とたかいけど、鷹の爪ファンとしては
かわないわけにはいかない。
「思い出の発明品」には、わたしのすきな怪人、
ゴギファップンゴロッパンベレラもおさめられているし。
本のなかをのぞいてみると、
フロッグマン氏へのインタビューがあるとはいえ、
全体としてはすごくやすっぽい。
でも、くりかえすけど、ファンとしてはしょうがないのだ。
しょうがないというよりも、
まったく別の次元でわたしはハイ状態となり、
まえに図書館でかりてよんだコーマック=マッカーシーの
『すべての美しい馬』や、
ドストエフスキーの『罪と罰』(光文社文庫・亀山郁夫:訳)全3冊、
そのほかにも新書2冊と、ふだんならかわないような本を手にとった。
あきらかにあぶない脳内物質が分泌され、
脳が正常な機能をうしなっている。
いったいわたしのからだになにをしたのだ、鷹の爪団。
本をひらくと、レオナルド博士の白衣をきせかえよう、とか、
「あらゆる謝罪の場面で活躍」する吉田くんの反省文など、
どーでもいい付録がついている。
コアなファンからとぼしいおこづかいをむしりとろうとする
意図がみえみえの別冊形式なのに、
わかっていながらファンとしてはどうしようもない。
本屋さんで7000円以上しらはったのは ひさしぶりだ。
さらにまだわたしの血はおらまらず、
ちかくをあるいているひとに、
「調子いいですか?」と声をかけたくなってくる。
すごい鷹の爪効果だ。逆上といっていい。
家にもどり、かった本を机につみあげ、
しばしわたしは しあわせにひたった。
瞬間でわたしをべつの世界につれていった「鷹の爪」。
であってから、もう10年になるのか。