職場の理事長が還暦をむかえるにあたり、
若手職員が中心になって サプライズパーティーを企画した。
いま、その会がおわったところだ。
はなしにはきいたことがあるサプライズパーティーだけど、
自分が参加するのは はじめてだ。
うまくもっていかないと、
よろこんでくれないおそれもあるなか、
100名の関係者があつまり
盛大であたたかな おいわいの会となった。
理事長だからそれだけのひとがあつまったのではなく、
これはもう、人徳というしかない。
ほんとうに、自分のことなど いちばんあとまわしにして、
利用者やその家族のことばかりをかんがえてきたひとだ。
職員も、わたしをふくめ、
この理事長でなければつかってもらえないような、
よわくて問題のある人間がおおい。
とてもほかの職場ではつとまらないわれわれなのに、
理事長は そうしたダメ人間をじょうずに再生させる。
わたしが仕事のやり方・たのしさをまなべたのも
すべてがこの理事長のおかげであり、
おおかれすくなかれ、
ほかの職員たちも おなじようにかんじている。
サプライズパーティーといっても、
拍手をうけながら 花道をあるいてもらい、
あとは感謝のことばをささげ、
ご本人からも 感想をいただくという会だ。
おくるころばは、よくきいていると
「なさけない」ともいえる内容がおおかった。
「還暦、そしてお誕生日おめでとうございます。
まだまだわたしたちは未熟なので、
これからもみすてないで、はたらきつづけてください」
みたいな、発言がおおかった。
「60歳になったのを機会に、
あとは安心してわれわれにまかせてください」
くらい いえないものか。
ふだんは自分がもちあげられるのをきらい、こうした会を
よろこんでくれそうにない理事長なのに、
今夜はすなおにみんなからの好意をうけて、
「ほんとうにびっくりしました」と、
おどろいてみせてくれた。
半分くらいは こっちに気をつかって
いってくれたのではないか。
おどろかす、という意味でのサプライズパーティーは
成功したかもしれないけど、
これからどうしてほしいか、という
内容については、すこし残念な会にとどまった。