『鷹の爪8 吉田くんのXファイル』
このまえみた『シン・ゴジラ』は、
予告編を10分以上みせられ、
「違法コピーは犯罪です」、のマナームービーがおわって
いよいよ本編が、とおもっていたところに
また予告編がはじまりと、
本編のまえにうんざりしてしまった。
『シン・ゴジラ』のおもしろさはみとめつつも、
映画鑑賞に期待する非日常性としては いただけない。
きょうみた『鷹の爪8』は、予告編がすくないし、
マナームービーのあとすぐ本編がはじまった点を
たかく評価したい。
内容は・・・、テレビ編に毛のはえたようなストーリー、
とおもわせながら、さいごは伏線をじょうずにいかして
それなりにまとめている。
みおわったときのすがすがしい気分は わるくなかった。
ただ、絵はこれまでの劇場版 鷹の爪のなかで、
いちばんひどいのではないか。
有力なスポンサーがつかなかったせいか、
今回はバジェットゲージがつかわれず、
全編をとおしてひくい作画レベルがたもたれている。
劇場版第3作に登場した「博士の動く城」の
めちゃくちゃたかいクオリティが いまとなってはなつかしい。
『鷹の爪8』は、TV版鷹の爪の集大成といえる。
フロッグマン氏の頭にうかんだアイデアを、
そのままちからずくで映像化したら
こんな作品ができあがった、というかんじだ。
10年の経験によって、フロッグマン氏は
それだけのちからを身につけてきた。
いまのフロッグマン氏にとって、
この程度の作品をつくるのは わけなかったのではないか。
総統もレオナルド博士もほとんどでてこないので
「秘密結社鷹の爪」の活躍をめあてのひとは
かたすかしをくいそうだ。
吉田くんに焦点をあてた作品であり、
いまは鷹の爪団の戦闘主任でしかない吉田くんだけど、
ちかい将来に 意外なポジションにつく可能性が示唆されている。
お客さんは、わたしをいれて5人だけだった。
そのうち ひとりの男性は、
上映ちゅうに、セリフのひとこと ひとことに
いちいち大声でわらうのが不自然だった。
コアなファンなのだろう、5人とも エンドロールを
さいごまでみとどけてから席をはなれた。