でも、ほとんど芽がでない。
田んぼのところどころに 数本の穂がみえるだけだ。
ことしの米づくりは、
まったくの失敗におわった。
きょねんできたモミをまいたのだけど、
それが原因で芽がでないとはおもえない。
なにがわるかったのかわからないと、
来年もまたおなじ失敗をくりかえすかもしれない。
直播栽培にくわしいひとの アドバイスをあおぎたいところだ。

お米はさっぱりだけど、
となりの畑では大豆がよくみのった。
夕ごはんに枝豆としてたべたら、
そんなにおおきな実ではないものの、
つまむ手が とまらないくらいおいしい。
大豆だからあたりまえとはいえ、
まったく肥料はつかってないし、薬もかけてない。
ただ、草かりはなんどもはいっているので、
「なんちゃって」な自然農法だ。

ほかによくできたのは 青じそとモロヘイヤで、
どちらもつよい野菜だから、できないほうが どうかしている。
ツルムラサキとトウガラシはかれてしまった。
トマトやナスといったほかの夏やさいは、
はじめからあきらめてつくらなかった。
肥料と農薬にたよらず、土もたがやさない自然農法は、
なまけもののわたしにぴったりだけど、
なにもしないで 野菜をつくるには
それなりの高度なテクニックが必要だ。
わたしがやっても ほとんどの野菜は
ごくちいさなものしかできない。
仕事でよくとおる場所に、
雑草がいきおいよくそだっている空地がある。
土地を管理するひとが なんどか草をかっているのに、
すぐにまたげんきな雑草がのびてくる。
あきれるほどつよく たくましい姿だ。
そうした光景をみると、
肥料なんかなくても 植物がそだつのがよくわかる。
よくわかるけど、わたしの畑は そうはならない。
あの空地に野菜の種をまいたら、すくすくそだつだろうか。