職場から三次市にある平田農園へ くだものがりにでかける。
わたしはどちらかというと
運転手としてきょうの活動に参加した。
出発してから30分ほどで高速道路にのる。
のったとたん、わたしは高速道路での運転が
にがてなのをおもいだした。
スピードがだせないし、トンネルになると、
せまくて壁にぶつかりそうにおもえるし、
谷と谷をむすぶような たかいところをはしる道路は
高所恐怖症で こわくてしょうがない。
制限時間70キロの道路を、60〜70キロではしり、
わたしのうしろには、車がずいぶんつまっていた。
片側一車線しかない高速道路なので、
おいぬける区間はかぎられており、
さぞ迷惑な運転だったとおもう。
とはいえ、運転手としてついてきてるのに、
運転をかわってほしいとは いいにくく、
なんとか高速道路の部分をやりすごす。
手のひらにいやな汗をかき、
両足にずっとちからがはいっていた。
高速道路をおりても、かえり道をかんがえると
よろこんでばかりはおれなかった。
自分が高所恐怖症だと気づいたのは、
瀬戸内大橋をわたったときだ。
下をみるとすごくたかいところをはしっているのがみえ、
そうおもったとたん恐怖でからだがこわばった。
風で車体がゆれ、ものすごくこわい。
時速40キロくらいでゆっくりすすみ、
ようやく橋のまんなかにあるパーキングにたどりついた。
ひとの運転する車なら、たかいところをとおっても平気なので、
正確には高所恐怖症とはいわないかもしれない。
それに、高速道路をおりたら
ふつうに時速80キロではしったりするので、
あながちスピードがだせないわけではない。
高速道路というシチュエーションが わたしを緊張させるみたいだ。
こういう恐怖感は、おもいこみというか、
自分でかってにこわがっているだけだ。
それがわかっていても こわさはなくならない。
高所恐怖症にしても、閉所恐怖症にしても、
まわりからみれば なんていうことのない状況なのに、
脳が強力なマイナスイメージの指令をだしているのだろう。
わたしがはやくはしれないのは、
高速道路でのスピードがこわいのと
なにか関係があるのではないか。
そうでなければ、日ごろトレーニングをつみながら、
地区の運動会レベルの大会で
断トツのビリ(4人中4位)なんて、
ふつう なれるものではない。
力とスピードが発揮できない特殊な能力を
長年のゆっくりした練習のつみかさねにより
丁寧につくりあげたのが わたしのからだだ。
からだというよりも、
からだにブレーキをかける脳ができあがった、
といったほうがいい。
脳に重大な影響をあたえているのは、
恐怖感のような気がする。
いまのわたしに必要なのは、
愚直にトレーニングをかさねるよりも、
自分の能力がときはなたれた映像を脳にやきつける
イメージトレーニングなのかもしれない。
恐怖によるブレーキをなんとかしてはずさないと、
地区の運動会で またビリになってしまう。