「身体が覚えている動きや言葉を教えて!」
http://portal.nifty.com/kiji/161027197911_1.htm
とよびかけた企画がある。
なぜだか理由はわからないのに、
なにかのはずみで ながいことばや複雑な動作を
記憶してしまったひとが、
さまざまな「動きや言葉」をよせている。
わたしは以前「鷹の爪」にでてくる怪人の名前、
「ゴギファップンゴロッパンベレラ」を苦労しておぼえ、
職場にくる子どもたちのまえで
さりげなく口にしておどろかせたものだ。
ゴギファップンゴロッパンベレラは
レオナルド博士が開発した戦闘ロボで、
敵に悪用されるのをふせぐため、
音声認識機能によって命令をききわける。
ただしく名前をよばなければ、起動すらしないのだ。
よくにた怪人名に、
・ゴギファッペンゴロッパンベレラ
(目からビームのかわりに、耳からナルトをだす)
・ゴギホッパンゴロッパンベレラ
(とてもはきごこちのいいスリッパをつくる)
・ゴギファップンヌルッパンベレラ
(よごれた金魚の水槽をかってにそうじしてくれる)
・ギゴファッペンゴロッパンベレラ
(ぜったいに失敗しない恋人えらびをすすめてくれる)
などがあるため、うっかりいいまちがえないで、
正確に「ゴギファップンゴロッパンベレラ」とよびかけられるのは、
わたしをふくめ おそらく日本に3人ぐらいしかいないだろう。
なんて得意がっていたら、
デイリーポータルZの記事をみるうちに、
ゴギファップンゴロッパンベレラなんて、
ぜんぜんたいしたことないとおもいしらされた。
幼稚園に通っていたころ、年長組の全員でマーチングをやりました。
私はタムトリオという3連のドラムを叩いていて、
その3音の順番を30年以上経った今でも覚えています。
音は右から「どん」「ぱん」「たん」と呼んでいて、
「ぱぱっぱどたぱた、ぱぱっぱどたぱた、
どんたんぱーぱぱたーたた、どんは、さんし、
どたっぱたんぱんどんつたぱんは、
どたぱたどたぱたどたっぱさんし、
どたぱたどんたんどんたんぱたどん、
どんたんぱたどん、ぱたぱたどんたん、
どたっぱたんぱんどんつたぱんは、
どたぱたどたぱたどたっぱさんし、
どたぱたどんたんどんたんぱたどん、どんたんぱたどん、
ばんは、ばんぱ、ばばっばばんは!」
が1曲分です。
促音と「つ」が間で、
「は」でスティックを立てて顔を横に向ける、
「さんし」で腕を前に伸ばして引く、
「ばん」は「どん」と「たん」を同時に叩くという意味です。
ここまで覚えているのに、曲名はうろ覚えです。
azaya
まるで筒井康隆の狂気小説みたいだ。
ここまでくると、もはや なんのことかわからない。
わからないけど、30年以上むかしにやったドラムの音を
こんなにスラスラおもいだせるなんて、
ふつうの感覚ではない。
世のなかには、ものすごいひとが
ひっそりかくれてくらしている。
身のほどをわきまえて
ゴギファップンゴロッパンベレラくらいが
スラスラいえたからといって、
調子にのらないよう いましめたい。