職場のイベントとしてキャンドルナイトが企画され、
きょういちにち その準備と開催にたずさわった。
なにをするのかというと、
かんたんにいえば自分たちでつくるイルミネーションであり、
ペットボトルをきったいれものに色をぬり、
そのなかにロウソクをともす。
担当者にきくと、3000本のペットボトルを用意したそうだ。
ペットボトルをきっただけでは風ですぐたおれるので、
砂をいれておもしにする。
そんなめんどくさい準備を午前ちゅうかけてやり、
夕方には会場にペットボトルをならべてお客さんがくるのをまった。
入場料などもちろんとらない。
事業所を利用してくださる方たちにたのしんでもらおうと、
今年で4回目のキャンドルナイトとなる。
わたしがかかわったのは、きょうだけだけど、
ほかの職員たちは 1ヶ月まえから ペットボトルをあつめ、
色をぬり、うちあわせをかさねていた。
酒井順子さんがなにかの本に、
自分はひとのためになにかができる人間ではない、と
わかったから会社をやめたという。
わたしには、酒井さんの気もちがよくわかる。
わたしもだいじなのは いちじるしく自分にかたむいており、
ひとがよろこぶのをみたい、なんて殊勝なことは
まず頭にうかばない。
ペットボトルにロウソクをいれ、
あたりがくらくなってから火をつけるのだけど、
これがまた風にじゃまされてなかなかうまくいかない。
ついたとおもったら すぐにまたきえ、をくりかえす。
あたりがくらくなるにつれ気温がさがり、さむさにふるえつつ、
いったいこれは仕事なのか苦行なのかと
なんどもくじけそうになった。
LEDを何万個もつかったイルミネーションが話題になると、
たった3000個など すぐにできそうにおもえるけど、
手づくりのキャンドルを準備して、
火をつけてまわるのは ものすごくたいへんだった。
事業所の代表をつとめる理事長は、わたしとは反対に、
もうけからはなれて いつもひとによろこんでもらうこと
ばかりをかんがえている。
そして、わかい職員たちも、その社風によくそまり、
めんどくさいだの、お金がもったいない、なんていわないで、
たのしそうにはたらいている。
きょうなどは、かたづけがおわったのは夜の9時半になっていた。
休日出勤のうえに超過勤務だ。
わたしはペットボトルをならべるときから
かたづけのめんどくささばかりが頭にあったのに、
ほかの職員たちは たのしそうに準備からかたづけまで
手ぎわよくすすめていた。
ヘトヘトになって家にたどりついたわたしは、
こごえたからだをストーブであたため、
ひさしぶりにまるごとイベントにつきあった
たいへんさをふりかえる。
わかいころは、わたしもあたりまえに
こんな企画にたずさわったような気もするけど、
根本的にわたしには意欲がかけており、
よろこんでもらいたいという発想もない。
本来なら、酒井順子さんのように、
職場にいないほうがいい存在だとおもう。
たった1時間のイベントのために、
1ヶ月の準備と、当日のいそがしさを
あたりまえのように うけいれている職員たち。
やる気のみなもとを、おりにふれてたずねてみたい。