2016年11月20日

一畑電車の無料 感謝デー

松江と出雲を一畑電車という私鉄がむすんでいる。
とちゅうでのりかえると、出雲大社へもいける。
1時間に1本程度、2両編成で宍道湖ぞいを各駅停車ではしる。
きょうはこの一畑電車が、のり・おり自由で無料という
ありえないサービスを、感謝デーとして提供してくれた。

86年ぶりに新造車両を導入する記念だという。
86年まえといえば昭和5年であり、
わたしの母が生まれる1年まえだ。
いまはしっている電車が、
どれも86年以上まえのわけはないのだから、
いったい新造車両とは なにを意味するのか よくわからない。
それにしても、感謝デーとして無料にするのはすごい。
86年ぶりに車両をあたらしくするような会社は、
けしてらくな経営状態ではないとおもうけど、
それをあえて無料にするのは ずいぶんおもいきったサービスだ。
おもわず 倒産まえのヤケクソ企画を連想してしまった。
あたらしく車輌をかうのだから、
しばらくは廃線の心配はないのだろう。
(島根県の江津市と広島県の三次市をむすぶ三江線が
来年度いっぱいで廃線となった。
廃線は、島根県民にとって、ありえないニュースではない)。

きょうは、余暇支援として、事業所を利用する方といっしょに
この一畑電車にのってきた。
「無料」にひかれて お客さんがたくさんつめかけている。
いつもだと、土日でも楽にすわれる のんびりした車内なのに、
きょうはいきもかえりもたったまますごした。
つり革につかまったことなんて、一畑電車では はじめてだ。
都会のひとなら満員電車になれ、すこしぐらい車輌がゆれても
お客さんは無意識のうちにバランスをとっているけど、
島根の人間は 満員電車にたったままのるのになれていない。
高校生ぐらいの女の子が、ちょっとしたゆれに
「オットット」と姿勢をくずしていた。
きょうの感謝デーは、島根県民に、
まさかの満員電車状態を体験させてくれた めずらしい日となる。

この一畑電車のウリは、窓のそとにひろがる景色と、
のんびりした車内の雰囲気にある。
宍道湖をながめながら 電車のゆれに身をまかせていると、
旅行でも、ただの移動でもない、
一畑電車でしか味わえない時間をすごすことになる。
通勤・通学につかう人をのぞけば、
利用者のおおくが出雲大社への観光を目的にしており、
でもあまり華やいだ雰囲気はないのが 一畑電車の特徴ではないか。
もうひとつ、車内に自転車をそのままもちこめるのも
ほかの路線にはないサービスなのだという。
それだけお客さんがすくないのだろう。
もっとも、きょうの感謝デーは、どの電車も満席のため、
自転車はもちこめなかったようだ。

きょうは とにかく一畑電車にのるのが目的だったため、
松江と出雲大社のあいだにある平田までの「おでかけ」とし、
そこで電車をおりて、松江にひきかえした。
松江の始発駅であるしんじ湖温泉駅につくと、
無料の電車をめがけてきた たくさんのお客さんがならんでいた。
無料はそれほど魅力なんだろうけど、
こんなに満員になるのなら、お金をはらってでも
いつものゆったりした一畑電車のほうがいごこちがいいようにおもう。
きょうあつまったひとたちは、無料にひかれただけでなく、
一畑電車ではめずらしい、
おまつり気分をたのしみたかったのかもしれない。

posted by カルピス at 21:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする