2016年11月30日

おおたかおるさんの「ドーナツが美味しくたべられるのは7個目まで」に感心する

デイリーポータルZに、おおたかおるさんの
「ドーナツが美味しくたべられるのは7個目まで」
がのった。
http://portal.nifty.com/kiji/161116198081_1.htm
あのあまいミスドのドーナツを、
こがらなおおたさんが かるがるとたべていく。
ミスドには「ドーナツビュッフェ」という枠があり、
1200円(税ぬき)で
「あれも これも 食べ放題」なのだそうだ。
ルールは
・いちどにお皿にのせられるのは3個まで
・制限時間は1時間
・ラストオーダーは終了時間の5分前

あまさにたいして超人的なつよさをみせつけてくれる
こういう記事がわたしはだいすきだ。

ケーキやおかしなど、
わたしは あまりあまいたべものがすきではないけど、
ドーナツだけはべつで、ときどきはげしくほしくなる。
といっても、ミスドでいえば、
オールド・ファッションがせいぜいで、
それ以外の種類は さすがにあますぎる。
生地だけでじゅうぶんあまいのに、
そのうえからさらに砂糖やチョコレートがかけてあるわけで、
かんがえただけでも口のなかと頭が
どろっと砂糖でつまっていくようだ。
そんなドーナツを、7個目まで「美味しく」
たべられるというのだから、
女のひとのあまさへの欲求はおそろしい。
わたしだったら、1個目のとちゅうからすでに
あまさをもてあましている。
よほどのかくごをもってのぞめば、
7つくらい口にいれられないことはないだろうけど、
「美味しく」たべるのは ぜったいに無理だ。
1200円分なんて まずもとがとれない。

おおたさんは、ドーナツビュッフェにいどむにあたり、
作戦をたてている。
(1皿目として)まるで霞でも食べているかのような軽い食感のフレンチクルーラー、軽さを残しつつチョコレートとゴールデントッピングで食感にアクセントが加わったゴールデンフレンチ、クリームが軽さとボリュームに絶妙なバランスを与えているエンゼルフレンチ。
ドーナツビュッフェのオードブルにふさわしいラインナップのはずだ。
もちろん、1皿目はあっという間に完食した。

(2皿目として)ふわふわのパンのような生地が魅力のイースト系ドーナツから、シュガーレイズド、カスタードクリーム、エンゼルクリームの3つを選んだ。
2皿目も余裕の完食だった。

3皿目は、ストロベリーリング、チョコリング、きなこリング。
これは私にとっては冒険的メニューである。
まず、日頃フレンチクルーラーやしっとりした生地のケーキドーナツを食べることが多く、そんなにイースト系を食べない。そして、きなこリングは食べるの自体が初めてだ。
とはいえ、ストロベリーリングまでは何の問題ない。大変おいしゅうございました。
ちょっとした違和感を覚え始めたのはチョコリングからだ。

アップされている写真をみただけで
わたしはおなかと頭がいっぱいになるのに、
2皿目までをかるがるとかたづけるおおたさんは、
別世界にいるフードファイターだ。

そもそも世界の常識からいうと、
おかしとは、あまくつくらているからこそ おかしなのであり、
あまさをひかえたおかしなど形容矛盾だ。
材料にどっさり砂糖をいれ、
そのうえからシュガージュースをかけて
砂糖のかたまりができたようなおかしこそが、
世界的には標準といってよい。

たべものがでてくるテレビ番組では、
おかしをたべたレポーターが、
「あまさがおさえてあっておいしいです」
なんていうのをよく耳にする。
あまさのかんじ方はひとそれぞれなので、
とくに女のひとがいう「あまさがひかえてあって」は
信用しないほうがいいのでは。
それに、「あまくなくておいしい」は
ほめことばとして無理がある。
あくまでもあまさを追求したあげくに、
なおかつおいしいのが まことのおかしではないだろうか。

おおたさんの記事には、
あまさがおさえてあっておいしい、なんて
ひとこともかいてない。
ドーナツはあまいのがあたりまえと、
あまさをドーンとうけいれたうえでの
ドーナツ愛にあふれた記事をたかく評価したい。
けっきょくおおたさんは
ドーナツ10個とパイ1個を、
ドリンク2杯で胃袋へおくりこんだ。

おおたさんがくだした「結論」は、以下のとおりだ。
美味しい思い出を残したい人は7個まで。
これは私のみではなく、一緒に行った友人も8個あたりから苦しかったと言っていたので、一般的成人女性はそのあたりが限界なのではないかと思う。

一般的成人女性は、ミスドにはいると姿をかえるようだ。
男と女のあいだには、
あきらかになってない山や谷が
まだたくさんあるのかもしれない。

posted by カルピス at 22:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | デイリーポータルZ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする