総合ベストテンの発表だけでなく、
10部門にわかれての ジャンル別ベストテンが
文庫えらびの参考になる。
紹介されている文庫を、冬やすみまえにもとめて
やすみちゅうによむのが年末年始のたのしみだ。
ベストテンのほかにもよませる特集がいくつもある。
出版社をJリーグならぬBリーグ(文庫本リーグ)にみたて、
出版社べつに いちねんをふりかえる企画が 5年目をむかえた。
チーム(出版社)ごとにつけられている総評をみると、
どこがどんな本をどんな戦略のもとに
うろうとしたのかがわかる。
はじめはBリーグなんて冗談にすぎないとおもっていたけど、
こまかくよんでいくと、シーズン前半は好調だったのに、
終盤にはちからつきてガタガタになるなど、
出版社とサッカークラブは、かなりにかよった体質の組織だ。
というよりも、サッカーのシンプルなおもしろさが、
人間のいとなみのおおくでアナロジーをなりたたせるのだろう。
もうひとつわたしがすきな企画は、
都内大型2書店の文庫担当者が、
店の文庫うりあげベスト100をあげて
その年のうごきをふりかえるページだ。
うり場の工夫やしかけでずいぶんうりあげがちがうらしい。
書店員の熱意に世相がからまって、
そのとしのうりあげに反映される。
◯一ヶ月に一回書店に来る人ってなかなかいないですからね。
△僕らの当たり前が当たり前じゃありません。
◯本当の本好きじゃないとそうは書店に来ない。(中略)
△そこをどう掘り起こしていくかってところが書店員の腕の見せどころなんだけど(中略)
◯この新刊置くんだったら、売れる既刊本をいい場所に置いた方が絶対売れるだろうっていうのが・・・。
△ありますよね。
◯だからやっぱり新刊を絞ってほしいんです。
△ただ点数を揃えただけっていう版元の方がまだ多いですよね。
△一番安易にやっちゃうのは、売れている本を棚差しにしちゃう。(中略)
◯それやられると一番頭に来ます。部数少ないから棚差ししましたとか。(中略)
△そうすると売れない本がぶあーっと並んだ絶望的な平台が出来上がる。
あたらしくでた本を ただならべたらいいわけではないらしい。
本屋さんをぶらつくたのしさは、
こうした書店員さんの熱意にささえられている。