レジにも行列ができ なかなかとぎれない。
クリスマスむけなのか、プレゼント包装をまつひとがおおい。
本がうれなくなってる、というのが
しんじられない光景だけど、
ほかに本屋さんがないから このお店にお客さんがくるともいえる。
たしかに本屋さんの数はこの数年でいっきにすくなくなった。
杉江由次さんが、web本の雑誌に連載ちゅうの
「帰ってきた炎の営業日誌」に、本がうれない状況をかいている。
通勤時の京浜東北線で本や雑誌を広げている人なんてほとんどいない。ホームにいるときからみんな手に持っているのはスマホだ。(中略)
持ち運べなかったものが持ち運べるようになり、新たなエンターテイメントも現れ、でも時間は24時間しなかく、そして東京でも本は売れなくなった。スマホの中に入るか、スマホの中で購買意欲を煽るか、スマホでは味わえないものを作り出すか、スマホを使わない層に向けて作るか、スマホに飽きるのを待つか。
毎日電車に乗るとついついひとり会議を開いてしまうが、いくら考えたって本が売れるわけではない。カバンから本を取り出す。この世に本という存在があることをみんなに思い出してもらうために。
わたしはスマホをほとんどつかわないものの、
アマゾンに本を注文するし、ブックオフへもよくでかけている。
本がうれないのは スマホのせいばかりではなく、
いろんな条件がかさなっての現象だろう。
自民党がこの世の春にひたっているように、
アメリカの次期大統領にトランプ氏がえらばれたように、
本がうれないのは、おおくのひとがそれをのぞんだからだ。
本のちからをしんじ、本をとりまく世界がすきで、
本の業界にはいった杉江さんは、
自分たちがいい仕事をすることで
本がうれない状況をかえたいとねがっている。
本の雑誌の年間ベストテンや、
おすすめ文庫王国のベストテンをきめる座談会で、
いちばん迫力のある発言をするのは営業の杉江さんだ。
その本のよさを、ちからづよくかたられると、
読者としては ぜひよんでみたくなる。
わたしがほしいのは、おもしろい本についての
信頼できる情報だ。
本づくりを企画するだけでなく、
すきな本、おすすめ本を杉江さん個人が発表していけば、
参考にしたい読者はおおいのではないか。
本の雑誌社につとめながら、自分の雑誌をつくるのはどうだろう。
40年まえ本の雑誌をたちあげた
目黒さんや椎名さんがそうしてきたように。