2017年02月18日

『最高の人生の見つけ方』人生のおわりに必要なもの

『最高の人生の見つけ方』
(ロブ=ライナー:監督・2007年・アメリカ)

余命数ヶ月を宣告されたふたりが、
人生のさいごをかがやかせようと、
死ぬまでにやってみたいリストをつくり 旅にでる。
だれにとっても関心のある話題だろうし、
まさにわたしがねがっている人生のくくり方でもある。
ひとは、ながらく生きているうちに、
いくつかの こみいった問題をかかえるようになる。
ふたりの旅は、その精算でもあった。

死ぬまでにやっておきたいリストは、
映画でときどきみかけるテーマだ。
のこされた時間の関係から、
あまりあとからつけたせないので、
よくかんがえてリストをととのえたい。
といって、あんまり実現可能なものばかりでも
なんだかおもしろくない。
多少の無理をふくみつつ、たのしめるリストとは
どんな内容になるだろう。
いまから準備できないことはないけれど、
ほんとうにそれが 自分を「最高の人生」へみちびいてくれるかは、
わりとギリギリにならなければわからない。
わたしだったらどうするか、とかんがえながら、
どこか気らくにみられるのも 映画としては都合がいい。

主演のジャック=ニコルソンとモーガン=フリーマンは、
死期がせまっているにしては げんきすぎた。
あんまり病気がおもてにでると、
映画のおもしろみに水をさすとはいえ、
いまのわたしよりもげんきにうごきまわるふたりは、
いささかリアリティにかける。
ねがわくば、わたしがさいごの旅にでるときにも
あれくらいの体力がのこっていますように。
ふたりはお金をかけけた贅沢なやり方で
世界各地をまわったけど、
べつにお金もちでないと できない旅ではない。
あまりみじめな滞在にならない程度のお金があれば、
だれにでも実現可能だ。

よくありがちなストーリーで、
たとえばフリーマンが妻とひさしぶりにベッドへむかう場面では、
それからの展開がわたしにも予想できた。
でも、そもそも人生はベタなものなのだ。
死ぬすこしまえに必要なのは、あるていどの体力とお金、
そしてなによりも いっしょにわらってすごせる仲間だと、
この作品はおしえてくれる。
ああ、たのしかったと、ふたりのように
こころがみたされた死をむかえたい。

posted by カルピス at 10:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする