すこしまえに録画していた「旅もの」をみた。
ウィスキーづくりでしられる スコットランドの村をたずねている。
かつてウィスキーを港まではこぶために鉄道がしかれており、
いまはその線路あとが遊歩道となり、村から北海までむすんでいる。
6日かけて村から村へとあるきつづけ、
最終日には北海をのぞむ村にたどりついた。
いちにちに10キロ程度の移動なので、かなりゆっくりな「旅」だ。
ウィスキーも魅力的だけど、
いなか道のまわりにひろがる景色がよかった。
スコットランドは、たとえ私有地でも
そこをあるいたりキャンプが自由にできるそうだ。
天気がかわりやすく、いつ雨がふってくるかわからないので、
さすがにキャンプまではのぞまないけど、
ゆっくりあるき、ときどきウィスキー工場を見学できるのは、
夢のようなコースにおもえた。
わたしはちかい将来に、
サンティアゴ巡礼をこころみたいとおもっており、
あるく旅行をあつかった記事になにかとひかれる。
サンティアゴゆきは、巡礼が目的というより、
いい景色のなかをあるきたいからだ。
サンティアゴ巡礼でなくても、今回みた番組のように、
あるいてたのしいコースは いくらでもあるのかもしれない。
20代のころ、ネパールで5日間のトレッキングをしたことがあるけど、
あるくたのしさなんて、かんじる余裕がほとんどなかった。
せっかくネパールにきてるのだから、
まわりの景色やひとびとのいとなみを
ゆっくりみてまわればいいのに、
まだわかかったせいか、やたらにさきをいそぎがちで、
目的地まであと◯キロ、と、
その日のゴールばかりをめざしていた。
その後、ゆっくり ながくが、わたしの基本的なペースとなり、
旅行でも、自転車や散歩をかねたとりくみに
魅力をかんじるようになった。
とはいえ、日ごろ散歩をたのしんでいるかといえば、
仕事以外ではほとんどあるかない。
近所を散歩するぐらいなら自転車にのるし、
1時間あるなら 散歩よりもはしりたくなる。
いい景色のなかをのんびりと、なんて
絵にかいたあこがれみたいなもので、
じゅうじつしたひとの活動をみると
すぐにまねしたくなる わたしのわるいクセだ。
サンディエゴでなくても、スコットランドでなくても、
日本にもいいコースはあるだろうし、
わたしの地元だって みかたによれば
自然と景観の宝庫ともいえる。
退職してからゆっくり のんびりと、なんて
絵にかいたモチをおいもとめないで、
はじめられるところから手をつければ、
やればやっただけ、知識と経験をつみかさねられる。
サンディエゴとスコットランドは、
それはそれでおおきな目標としてだいじにし、
それまでにも「あるき」を日常にとりいれたほうがいい。
どんなシューズやリュックが ながくあるくのに適切かなど、
じっさいにつかっていないと ぶっつけ本番になってしまう。
いつおむかえがきてもいい、なんていいながら、
やりたいことがどんどんふえていく。