ことしは3季ぶりにJリーグが1シーズン制となった。
もし独走するチームがでれば、優勝あらそいへの関心が
そがれるところだったけど、
いまのところはげしい混戦がつづいている。
勝点35から26のあいだに8チームがいて、
試合ごとに首位がめまぐるしくかわっている。
目につくうごきとしては、
・波にのれない有力チーム(とくに広島の不振・現在17位)
・ACLの決勝トーナメントに川崎と浦和がのこっている
・J2から昇格してきたチームが明暗をわけている
(セレッソが1位、コンサドーレ札幌が15位、
清水エスパルスが13位)
J1が混戦というなら、J2は激戦リーグだ。
1位と2位が勝点43で突出しているものの、
3位あらそいは 勝点36から30のあいだに
なんと12チームが団子状態でひしめいている。
ただ、3位になったからといって無条件に昇格できるわけではなく、
3位から6位までのチームによるトーナメントで
3チームめの昇格がきまる規則だ。
後半戦にはいれば、6位までをキープしようと、
ますますシビアなレースとなるだろう。
そんなたいへんな状況なのに、
J2については ほとんどメディアがとりあげない。
Jリーグタイムですら、J2については 試合結果をしらせるだけで、
上位をたもとうと、どんなあらそいになっているかのコメントはない。
そんななかで、朝日新聞に連載されている
津村記久子さんの『ディス・イズ・ザ・デイ』は
J2とJ3をいったりきたりするような
よわいチームを愛してしまったサポーターに焦点をあてている。
スター選手がいたり、圧倒的なつよいチームでなくても、
いろんな理由から ひとはサポーターになる。
いわば、サッカーが生活に根づいているひとたちで、
サッカー文化が日本にしっかり根をおろしたからこそ、
こうした下部リーグにも熱心なサポーターがついている。
Jリーグタイムのキャスターが中川絵美里さんにかわり、
豊富な知識と適切なコメントにより、
安心して番組をみられるようになった。
それまでは、ほとんどサッカーをしらない女性タレントが担当になり、
猛勉強でだんだんとサッカー事情につうじるようになるものの、
なぜこのひとがサッカーの番組にかつぎだされたのかと、
しっくりこないときがおおかった。
サッカーを報道するというよりも、
かわいいタレントとしてのふるまいを 期待されているようにみえた。
中川さんをキャスターにすえたことで、
Jリーグタイムは ようやくサッカーの専門番組として
体制をととのえた。
せんじつおこなわれたコンフェデ杯の試合をすこしみたら、
ボールさばきがあんまりうまいのでおどろいてしまった。
Jリーグとは、別次元のサッカーであり、
おどろくとともに、ちょっとがっかりした。
日本と世界とのあいだには、まだそうとうな差が歴然としてある。
代表チームを応援するだけでなく、
J2やJ3、あるいは、まだJリーグに加盟すらできていない
弱小チームへの無償の愛が、
日本のサッカーをすこしずつまえにすすめていく。
わたしはどこかのチームをつよく応援するほどの
熱心なファンではないけれど、
サッカーからおおくのエネルギーをうけとった。
サッカーがあってよかったと、
日本のサッカーをささえている すべてのサポーターに感謝している。