「気持ちの問題」と題して、
サッカーでも点がおおくはいる試合は実現できるとかいている。
http://www.sponichi.co.jp/soccer/yomimono/column/nishibe/kiji/20170707s00002368176000c.html
オフサイドや、足でボールをあつかうルールにより、
サッカーはあまり点がはいらないスポーツだ。
だからおもしろくない、というひとがいる。
おもしろいスコアは3-2といわれているし、
あまりたくさん点がはいりすぎるのは
なんだかサッカーらしくない。
ただ、国によって得点への価値観はちがっており、
守備を重視するイタリア人にとって、
1-0での勝利が最高のスコアといわれたりする。
西部氏は、先日おこなわれた
J2第20節のFC岐阜対ジェフユナイテッド千葉が、
4−6というスコアだったのを紹介しながら、
現代サッカーと得点の傾向を整理し、
なぜロースコアの試合になりやすいかを分析している。
その結論が「気持ちの問題」というのがおもしろい。
要は気持ちの問題なのだ。シュートやパスワークなど技術的な問題はあるだろうし、戦術的な課題もあるだろうが、現実に1試合で5点、10点が入る試合もあるわけで、その気になればサッカーは1試合平均2点台のゲームではなくなるに違いない。
結局、たいていのことは「気持ちの問題」なわけで、
でも、それをいっては身もフタもないから
いろいろとかざりをつけて 文章に説得力をもたせるのが一般的だ。
西部氏の記事は、そこをぬけぬけと
ストレートについてくるのが魅力となっており、
人徳からか、なんとなく納得してしまう。
まえにも西部氏の記事に、
「ひいて守る相手をくずすには先取点」
とかいてあり、おどろいたことがある。
ひいてまもりをかためられると、
点をいれられないからこまっているのに、
その解決策が、「さきに点をいれること」なのだから
発想がものずごく柔軟だ。
先取点をいれられたら、相手はせめざるをえないから、
とにかく点をいれたらいい。すごくわかりやすい。
サッカーにくわしくないわたしは、
たくみな守備に感心するだけの知識がないので、
点がたくさんはいる試合のほうが みていてたのしめる。
「気持ちの問題」で、そんな試合がすぐに実現できるのなら、
「ひいてまもってカウンター」ではなく、
もうすこしまえにでて、せめこんでほしい。
先日おこなわれていたコンフェデのメキシコ対ロシアをみる。
ルーズボールをキーパーとあらそっていたメキシコの選手が、
一歩さきにおいつき、ヘディングでボールをうかせる。
ボールはそのままゴールへ。
キーパーは、その選手と交錯したときに、
ボールではなく むなもとへむけて キックをはなっている。
あきらかに 腹いせだ。
スロービデオでそのときの映像がながれると、
おどろいたことに、メキシコの選手はほほえんでいた。
ヘディングしたボールが ゴールにすいこまれるのを確信すると、
キーパーにけられる恐怖よりも、得点へのよろこびにより、
けられながらも空中でわらっていた。
点をいれるためだったら、どんな犠牲でもはらうという
一流選手のガッツをみたおもいだ。
その試合のスコアは2-1でメキシコだった。
けられてもほほえむぐらいの「気持ち」があれば、
4,5点はいるのでは、とかきたかったけど、
じっさいには両チームの合計で3点だ。
「気持ちの問題」は、なかなか気もちだけでは
うまくいかないかもしれない。