2017年09月09日

『再婚生活』(山本文緒)うつ病からの復帰、第一弾の日記エッセイ

『再婚生活』(山本文緒・角川書店)

山本文緒さんの『再婚生活』は、
うつ病で入院し、そして退院してからの生活が
日記エッセイとしてつづられている。
といっても、闘病記をかんじさせるおおげさな表現ではなく、
体調と気もちのうつりかわりが ありのままにかいてある。
状況は深刻だけど、そうおもわせないかるさがいいかんじだ。
うつは、たいへんな病気だなーとおもいつつ、
ひとの生活をのぞきみするのがすきなわたしはには、
興味ぶかい日記だった。
わたしがしばしばかんじる「だるさ」について、
この日記にはひんぱんに登場するのにも共感できる。

山本さんは、だるさの度あいを「ダルサ指数」としてあらわしている。

・本日の私は大変元気。ダルサ指数0。
・たっぷり14時間睡眠で、体調は15ダルサくらいに回復の模様。
・夜に症状がでて120ダルサで苦しむ
・ダルサはメーターを振り切ったまま

「120ダルサ」なんて、おもしろいあらわし方だ。すごくわかりやすい。
わたしのだるさも、もしかしたら精神的なものではないだろうか。
脳がブレーキをかけるから、からだがだるいのかも。
うつ病のだるさといっしょにしたら、
うつ病のひとからは、なにをあまえたことを、と
ヒンシュクをかいそうだけど、
まあそこはダルサ指数のひくい初心者としてゆるしてもらおう。

わたしのだるさは、それほど深刻なものではないけど、
だるいときに、ほんのすこしクッキーをたべると、
まるで薬をのんだみたいに げんきがでる日もあり、
わたしのだるさは血糖値のひくさが関係してるのかもしれない。
貧血ぎみでもあるので、鉄分をおぎなう薬をのんでもいるけど、
こちらのほうは、即効性がなく、
きいているのか いないのか よくわからない。
めんどくさがりのわたしは、
めんどくささとだるさの関係をうたがっていたけど、
精神的なものとかんがえると、納得しやすい。
だるいときは、だるいとかんがえてもどうにもならない。
どうにもならないので、だるさはないものとするのも ひとつの手だ。

山本さんは、うつ病とつきあいながら
仕事をし、けっこうあそびあるき、
おもったことをかくさずにひとにつたえている。
ストレスをためない生活にみえるけど、
それでも体調をコントロールできないのだから、
うつ病はやはりたいへんな病気だ。
でも、たいへんはたいへんとして、この本をよめば、
うつ病のひともすこしは気がやすまるのではないか。
うごけなくても、家事ができなくても、
病気なんだからしかたないとおもえてくる。

posted by カルピス at 17:08 | Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする