わたしの職場である介護事業所が、
関係者をまねいて実践報告会をひらいた。
5人の職員が、それぞれ自分のとりくみを発表している。
保護者や養護学校の先生、また、ほかの事業所からなど、
60名の方が参加される。
外部のひとたちにきいてもらう報告会は、
これがはじめての機会だ。
開所してから15年になるので、
これまでひらかなかったのが不思議といえるだろう。
発表になれないせいか、ひとり20分の発表がながくかんじられたけど、
職員たちの熱意がつたわってきて、好感をもつ。
介護職員のなれのはてとなったわたしは、
その仕事愛に感心するしかない。
「医療的ケアの必要な利用者をむかえての実践」の発表では、
気管切開や胃ろうをしている方のうけいれが報告されている。
重度障害の方が、ブルーベリーがりや海水浴、
それに、ゆかたをきて花火大会におでかけされているようすが
じっさいに写真で紹介されると、説得力がある。
医療的ケアが必要な方は、
養護学校を卒業すると、いく場がなくなって、
ずっと家ですごさなければならないケースがおおい。
そんな方たちにとって、今夜のような報告は、
つよい関心をあつめるにちがいない。
医療設備のととのった、おおきな施設でないと
利用できないとおもっていたのが、
身ぢかにあるちいさな事業所が実践しているのだから、
もっとこうしたとりくみがひろがってほしい。
今夜くばられた資料に、事業をはじめてからのうつりかわりが
表にまとめられていた。
2003年の4月、6名の正職員と4人のパート職員ではじまったのが、
15年後の2017年には、正職員24人・パート職員16人にもふえている。
わたしは、事業所のたちあげにかかわり、8年間つとめたものの、
もういいや、という気になって、いちど事業所をはなれている。
5年後に、頭をかきながら、またもどってきたわけで、
いまは、職場にわるい影響をあたえないよう 気をつけながら、
わかい職員たちにすべてをまかせ、
いわれるがまま、しゅくしゅくとはたらくだけの存在だ。
今夜の報告会にも、完全にお客さんとして顔をだした。
いまさらわたしがいえた義理ではないけど、
いい職員集団がそだちつつあり、こころづよくおもった。