2017年09月16日

ネコの行動原理

江國香織さんの短篇集
『号泣する準備はできていた』をよんでいたら、
かいぬしになつかないネコがでてきた。
弥生にも夫にもなつこうとしなかった。ベッドの中や、洗いたての衣類の山の上に粗相をした。

ピピといっしょだ。
ピピとはいい関係だとおもいこんできたけど、
もしかして、いやがらせをしてるだけだったりして。
いやいやそんなわけはない。
人間がかんじている関係性とは、
まったくべつの原則でネコたちは生きているのだ。
人間が、かってにかわいいだの、
ひねくれているだのと、きめつけているだけで、
ネコたちの行動原理はつねにかわらない。
夏はすずしいところ、冬はあたたかいところをもとめ、
やわらかてもりあがったところでおしっこしたい。
よごれているトイレはつかいたくないので、
うごくのがめんどくさいときはベッドのうえで粗相もする。

ナ月さんのブログに、「菌を飼う」という作品がある。
http://nekokaenu.tumblr.com/post/158887465728/%E8%8F%8C%E3%82%92%E9%A3%BC%E3%81%86-%E7%B7%8F%E9%9B%86%E7%B7%A8
ネコをかえないアパートぐらしなので、
かわりにのらネコのツメからとった菌をかう、というはなしだ。
ベランダによくくるので、そのネコをベラと名づけた、
というのがさえている。いかにも菌的な名前だ。
ネコでさえ、人間の対応とはべつの原理でうごいているのだから、
菌にいたっては、人間のおもわくとは関係なしに
繁殖したり、活動をとめたりする。
ナ月さんのかかわり方も、熱心に世話をしたかとおもうと、
あきたので、ほったらかしにしたり、すごくムラがある。
はじめのころはかわいがっておきながら、
さいごには非情にも
「でも飽きたもんは飽きたので捨てた」
なのがすごくおかしい。
ネコをすてたりしたら、ひどい人間ととがめられるけど、
さすがにあいてが菌となると、すてても良心はいたまない。
ネコ的なものとのつきあいは、さまざまだ。
かわりに菌をそだててしまうほど、ネコはかわいい。

posted by カルピス at 12:03 | Comment(0) | ネコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする