「モノを手放したら不安が消えた」を
しりあいがおしえてくれた。
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稲垣さんの『魂の退社』をよんだことがあり、
どんなくらしをしているひとなのか、
だいたいはしってるつもりだったけど、
ますます独自の道をあゆまれている。
東日本大震災での原発事故をきっかけに、
電気をつかわない生活をはじめた稲垣さんは、
電気製品を手ばなしはじめる。
朝日新聞記者の仕事もやめ、
身のまわりの家具を処分し、
きわめつけは冷蔵庫を手ばなすと、
一気にものをもたない生活へとかたむいていく。
・月1万円で食べていけることが私を支えている
・手放していく生活に新たな可能性をかんじるようになった
稲垣さんがかたる ものをもたないくらしをよんでいると、
アルバイトと年金でなんとか老後をしのごうとしている自分が
つまらない人間におもえてきた。
おまえは自分だけがよければ、それでいいのかと
つっこみをいれたい。
稲垣さんは、冷蔵庫をもたないので つくりおきができない。
つくったぶんを、その日のうちにたべる。
自然とおなじようなおかずをつくることになるけど、
毎日たべてもぜんぜんあきないのだそうだ。
自分ひとりのために料理すると、
おなじおかずをくりかえしつくっても問題ない。
家族がいると、毎日ちがう料理を、なんておもうけど、
ひとりだったら野菜いためとみそ汁でじゅうぶんだ。
それにしても月1万円の食費はすごい。
これだったら、お金を心配せずに老後をむかえられる。
だれでもできることなのに、だれもはやらない。
お金をつかわないくらしは、自由とふかいつながりがある。
そもそも、自分ひとりでなんとかしなければ、とおもうから、
何千万円もの貯金が必要になるわけだけど、
稲垣さんは、ものをもたなくなってから
しりあいがふえたので、こまったときは
そこへころがりこめばいいと おもえるようになった。
ここらへんは、アマゾンの先住民族たちの倫理とおなじだ。
おたがいに たすけあうしくみのうえで 生活がなりたっている。
うしなうものがないと、自由に生きられる。
自由がいちばんだいじ、といいながら、
ものにかこまれて自由をうしなっていることに
わたしは気づかないふりをしてくらしている。