しりあいの女性(50代)と、お酒についてはなしていた。
彼女は とりあえずなんでものむけれど、ワインは白がいいのだそうで、
肉だろうが魚だろうが、料理にかかわらずいつでも白らしい。
わたしもワインはすきだ。
といっても、ふだんは500円のやすいワインをのんでいるし、
かりに1本3000円のワインをのんでも、たぶんちがいはわからない。
ワインがすきだといっても そのていどだし、
その女性もにたようなレベルだ。
そんなふたりの会話なのでなかみはしょぼい。
500円でのめるチリの安ワイン、アルパカでじゅうぶん満足だ、
とわたしが貧乏派を代表してアルパカのすばらしさをたたえる。
アルパカの赤には、カベルネ・メルローと、
カルメネールの2種類がある。
わたしはいつもカベルネ・メルローをのんでいるけど、
たまたまカルメネールをのんだら、ちがいがまったくわからなかった。
「どちらもおいしい」のは、すばらしい。
その女性は、アルコール度でワインをえらぶという。
13%がおおいなかで、なかには14%のものもあるそうで、
アルコール度がたかいほうがおいしい、というよりも、
アルコール度がたかければ、
手っとりばやくよえるという意味での選択だ。
わたしは、ワインなんてどれも12%かとおもっていた。
女性がこういう視点でワインをえらぶのは、
なんだか男まえでいいなとおもった。
まるで体育会系の男子学生みたいだ。
ワインはどこそこのものにかぎる、よりも、
きっぱりと「ワインは度数でえらぶ」ほうがいさぎよい。
わたしはサッカーの試合をみるのがすきだけど、
そのをとき ふつうはお酒をのまない。
真剣しプレーしている選手に失礼だからだ。
それが基本方針なのに、ある試合をみているとき、
なんとなくワインをのんでしまった。
料理につかったのこりを、コルクのビンから
ペットボトルにうつしてとっておいた。
1000円くらいの、もともとやすいワインだし、
コルクをぬいて1週間たっているので、そうとう味がおちているだろう。
これぐらいのトホホワインなら、
試合ちゅうにのんでもゆるされるのでは、と
よくわかりにく理由をつけてのみはじめる。
でも、おいしかった。
なんだかんだと のこっていた500ccぜんぶをのんでしまう。
サッカーとワインがこんなにあうとはおもわなかった。
デイリーポータルZは、
「お酒にあうスポーツ」を特集してくれないだろうか。