コーヒーをのむときでさえ、
同時になにかをしないそうだ。
「コーヒーを飲みながら仕事しない」
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なぜなら、マルチタスクをさけたいから。
時間によほど追われていると自分で判断するのでない限り、マルチタスクは極端なまでに避けています。べつにできないわけではありませんが、マルチタスクに よる時間の節約というのは、思うほど効果がなく、しばしば時間がかえってムダになり、しかも経験が薄められてしまうと思うからです。
同時にふたつ以上のタスクをすすめないほうが、
目のまえの仕事に集中できるだろう。
とはいえ、それは原則であって、
いくらシングルタスクがいいといっても、
コーヒーぐらい、仕事をしながらのんでもいいのに、
とあまりの徹底ぶりにわたしはおどろいた。
ここまで徹底してシングルタスクにこだわると、
ひとつのスタイルとしてかっこよくみえる。
わたしはこのごろあるくのがたのしくて、
2時間くらいあるくのに集中していると、
頭もからだもリフレッシュされて気もちがいい。
まさに「あるくためにあるく」のであり、
なにかをめざしてではなく、ただあるくのがたのしくてあるく。
メモとボールペンも もっているけど、
かなりのスピードであるくと、
あんがいものごとはかんがえられない。
アイデアが空からおりてきたりもしない。
ただひたすらあるいており、それだけでたのしい。
これなんかも、シングルタスクとしてのここちよさだ。
カニグズバーグさんの『13歳の沈黙』(岩波書店)をよんでいたら、
いちどにひとつのことしかしない
家政婦のヨランダさんがでてきた。
彼女はいちどにひとつのことしかしない。
しずかに、ていねいに、ひとつずつ仕事をすすめていく。
このおちついた態度こそを、依頼主の女性は必要としていた。
仕事ははやいけどあわただしい、というのではなく
ヨランダさんのしずかな仕事ぶりが
まわりから信頼されのはとてもよくわかる。
この本をよんでから、わたしもまた
できるだけいちどにひとつのことしかしないよう
こころがけるようになった。
たとえば、冷蔵庫にバターをしまおうとたちあがったとき、
テーブルにあったよごれたお皿が目にはいり、
バターといっしょに手にする、
ということがよくあるわけだけど、
そんなときにも、まずバターをしまい、
その動作が完全におわってからお皿をながしにもっていく。
とにかくひとつずつしかしないこと。
簡単なようで、これがなかなかできない。
どうじにふたつ以上の仕事をすすめると、
効率はいいかもしれないけど、
雑な生き方となり、うつくしくない。
「いちどにひとつ」は、生活におちつきをもたらす。