自宅にむけた移動は順調にながれ、午後3時半には家にもどれた。
バンコクからの飛行機は、羽田ではなく成田につく便だったので、
自分で3100円をしはらい 羽田までのリムジンバスにのる。
なんだかんだで、バンコクから日本までの5時間10分と、
ほぼおなじ時間が成田と羽田でのまち時間となった。
まちあい室のテレビでは、箱根駅伝をみられたけど、
ながい移動につかれはてたわたしは、集中してみるげんきがなかった。
自宅にもどり、夕ごはんをたべながら、
ハワイでおこなわれた総距離250キロのグレートレースをみた。
7日間にわたり(7日めは8キロだけなので、実質6日)、
ハワイ島のさまざまな自然のなかをかけまわる。
ハワイというと、温暖で、のどかな環境かとかんちがいしやすいけど、
標高のたかいステージでは高山病の症状がでるし、
するどくとがった溶岩のコースでは、
気をくばらないと足をいためてしまう。
雨がふるときゅうに気温がさがり、はれると30度をこえるあつさだ。
あまりにも過酷なレースであり、
なんとか完走をなしとげた選手たちのおおくは、
感きわまってなきだしていた。
白血病を薬でおさえながら参加したマイクは、
自然との一体感を大切にしたいからと、
サンダルだけでこのレースにいどみ、
みごとにはしりきっている。
「わたしはあきらめなかった」
と、ゴールしたマイクは自分をたたえ、
応援してくれた家族に感謝している。
わたしは、このまえのレースでフルマラソンをはしったといっても、
いってみれば たかだか42キロにすぎないわけで、
6日つづけて40キロちかく(日によっては80キロ弱)
まいにちはしりつづけるなんて、そのすごさは想像をこえている。
わたしのフルマラソンをグレートレースとくらべても意味がない。
自分の健闘をおとしめるつもりはないけれど、
まったくことなった次元のグレートレースにおどろいた。
羽田空港でみた箱根駅伝は、
それはそれでたいしたものだとおもうものの、
たすきをつなぐとか、シード権あらそいとか、
伝統校の意地とかが、わたしにはいまひとつピンとこない。
今夜みたグレートレースは、わたしより歳うえのランナーが、
年齢をいいわけにせず、レースにいどみ、完走した自分をたたえ、
過酷なレースならではのよろこびを味わっていた。
フルマラソンをはしりおえたあと、
とてもそれ以上はしる気にならなかったわたしには、
グレートレースはあまりにもグレイドがたかいけれど、
こうしたレースにいどむ選手たちのつよい精神力がまぶしかった。
世のなかには、すごいひとたちがいるものだ。
そのすごいひとたちを、極限にまでおいつめるグレートレース。
あすの仕事はじめをまえに、お正月らしい番組にであえてよかった。