NHK-FMの「きらクラ」をきいていたら、
クラシック番組のはずなのに、
いまふうで チャーミングな曲がかかった。
カール=オルフというひとの作品らしい。
どこかできいたことがある。
そうだ、映画『トゥルー・ロマンス』のテーマソングではないか。
でも、ふかわりょうさんは、カール=オルフを紹介するときに、
ひとことも『トゥルー・ロマンス』についてふれない。
あとでネットをみると、この曲はカール=オルフによる「Gassenhauer」で、
『トゥルー・ロマンス』とは関係なかった。
https://www.youtube.com/watch?v=TQ9_6W6bVoQ
正確には、関係ないというよりも、
『トゥルー・ロマンス』は
『地獄の逃避行』という作品のオマージュであり、
その『地獄の逃避行』が「Gassenhauer」をつかっていた。
『トゥルー・ロマンス』を監督したトニー=スコットが
作品だけでなく音楽も『地獄の逃避行』を意識したらしい。
『トゥルー・ロマンス』のテーマソングであり、
作品の雰囲気にぴったりの、おしゃれな「You're So Cool」は、
もとをたどるとカール=オルフの「Gassenhauer」という
ややこしい関係にある。
わたしは音楽にあかるくないので、
たとえば『がんばれベアーズ』で「カルメン」がつかわれていても、
それがビゼー作曲の有名な曲ということさえしらなかった。
まるでベアーズのためにつくられたかのように、
あの映画にぴったりだったので、
あとから「カルメン」をきいたときに
なんでオペラにベアーズの曲がつかわれているのだと、
なんだかへんな気がしたものだ。
『地獄の黙示録』でヘリコプターがとぶ有名な場面では、
ワーグナーが効果的につかわている。
はじめて黙示録をみたときは、
この作品にむけてつくられたとおもったぐらいだから
無知もここまでくると かなり重症といえる。
わたしがすきな『パルプ・フィクション』でも、
オープニングにぴったりの曲がながれる。
https://www.youtube.com/watch?v=LRVVECmDFYw
タランティーノ監督は、いったいどこから
あんなにいかれた(もちろんいい意味で)を
ひっぱりだしてくるのだろうと感心したものだ。
わたしがしらないだけで、きっと世間では 有名な曲にちがいない。
映画のためにあらたな曲をつくるのもいいけど、
まったくおもいもよらないところから
その映画にぴったりな曲をもってこられるのも
意外性があってたのしい。