きょうのランスマでは、
900万人といわれる市民ランナーが、
それぞれもっている「はしる理由」をとりあげていた。
達成感とか、がんばるお母さんでありたいとか、
それこそひとによって理由はさまざまだ。
そのなかのひとりとして、
92歳の市民ランナー、上野山さんが紹介された。
92歳でフルマラソンに挑戦する上野山さんは、
はしる理由がどうこうよりも、
92歳ではしれるからだであることに、
それだけでおどろかされる。
92歳にはまったくみえない。
動作はキビキビしているし、
はなし方だって老人らしいところがない。
うごきをみれば、げんきな70代としかおもえない。
のんびりとか、だらりとしたすごし方よりも、
つねになにかをめざしているタイプの方だ。
おおげさにいうのではなく、
わたしよりずっと若々しい身のこなしだ。
天気の日には、1日20キロをはしるのが日課なのだという。
1時におきてすぐ体操。
2時からはしりはじめ、
1キロ9分のペースで3時間かけ20キロをはしる。
4時に朝ごはん。
そのあとテレビや新聞に目をとおし、
ひとりで管理しているミカン畑で仕事をする。
夕方4時には夕ごはんをたべ、
8時にはねむりにつくというのが
上野山さんのいちにちのリズムだ。
神戸マラソンでの挑戦は、
残念ながら制限時間内にチェックポイントをくぐれず、
20.3キロでのリタイアとなった。
「きたえなおさんといかんな」と上野山さんはつぶやき、
じっさいに、つぎの日からトレーニングをはじめられている。
このごろは、がんばるより自分をやすめることに
注目されているけれど、
きっと上野山さんは、目標にむかって
ずっとがんばりつづけるひとなのだろう。
うごけなかったらなにもできないので、
自分のからだは自分でまもる、ともいわれている。
上野山さんのようにはしりつづけるためには、
よほどからだをきたえ、メンテナンスに気をくばる必要がある。
ひととくらべることに意味はないけれど、
こんな92歳がいるのは刺激となった。
92歳まで 生きるだけでもたいへんそうなのに、
そのうえフルマラソンがはしれるとは、
まったく、すごいとしかいいようがない。
わたしがこのまま92歳になったとしたら、
目はかすみ、耳はとおく、はしろうとすれば足はもつれ、
頭はずっともやがかかったようにクリアーではなく、
腰はまがり、なにかをはなしてもモゴモゴしか口がまわらず、
しばしば目まいがして、記憶はふたしかで、
ちょっと頭をさげただけでもからだがふらつき、
いつ死んでもおかしくない状態だとおもう。
上野山さんのうごきと まえむきな姿勢におどろかされた。