ときどきみかける。
水上飛行機と飛行艇は、ビミョーにちがうようで、
「紅の豚」のポルコがのっていたのは飛行艇のほうだ。
飛行艇が、飛行機の胴体を水にうかべた状態でとぶのにひきかえ、
スキーのような浮船のうえにのっているのが水上飛行機らしい。
いずれにしても、水にうかびながら飛行機をとばすなんて
自由の象徴みたいにたのしいあそびだ。
わたしも、そんなふうに宍道湖の上をとんでみたい
(高所恐怖症なので、じっさいにはむりだけど)。
その水上飛行機が、きょねんの4月に宍道湖で事故をおこしており、
先日の朝日新聞島根版にくわしい報告書がのせられていた。
なお、事故によるけが人はでていない。
(報告書は)機長が離水に必要な距離を十分認識せずに滑走を始めたため、浮揚する前に大きな波に衝突した可能性が高いと結論づけている。
このあとも、これでもかと、
事故の詳細がのべられている。
もちろん事故はないほうがいいし、
事故によって迷惑をうけたひとがいるかもしれない。
それにしても 記事は、ものすごくくわしく報告書を引用しており、
直接の非難はしていないものの、
記事全体から、未熟な操作によるひとさわがせな事故、
というニュアンスをつよくかんじる。
普通なら、さらっと紹介すればすむところを、
調査報告書からのながすぎる引用に違和感をもつ。
みだし以外の本文に、
12文字×22行×2段ぐみのスペースをつかい、
異例ともいえる特別なあつかいでくわしくほうじている。
たとえば、自動車事故がおき、
ケガをしたひとがだれもいない場合、
これだけくわしい記事をのせたりしないだろう。
国土交通省による報告書をこれだけくわしくのせるのなら、
じっさいに事故にあった当事者へも取材するべきではないのか。
お役所の発表のみをのせるのは一方的であり、
水上飛行機なんかでチャラチャラあそんでるから、
こんなひとさわがせな事故をおこすんだ、
みたいなひがみにおもえる。