2018年02月02日

『31年目の夫婦げんか』にみる ベーコンエッグのつくり方

『31年目の夫婦げんか』をみていたら、
メリル=ストリープがトミー=リー=ジョーンズに
朝ごはんのベーコンエッグをつくっていた。
ベーコンのある場所から、すこしずらしてタマゴをわる。
毎朝そうやって ベーコンエッグをおなじようにつくる。
わたしは、ベーコンのうえにタマゴをおとすので、
だれもがそうやってつくっているのだとおもっていた。
トミー=リー=ジョーンズは、だされたベーコンエッグに、
やたらと塩だかコショーだかをふりかけ、
スプーンですくってたべていた。
新聞をよみながらの食事だったので、
スプーンのほうがあつかいやすいのかもしれない。
ほかのひとが どんな手順でベーコンエッグをつくり、
たべるかをみられ、わたしにとって興味ぶかい場面だった。

ひとのやり方をみるのは いつもたのしい。
『クレイマー、クレイマー』でおもいだされるのは、
親子でつくるフレンチトーストだし、
『ワーキング・ガール』でも、印象にのこるのは、
せまい台所で、ふたりがからだをいれかえながら、
朝ごはんのトーストに おおいそぎでかじりついている場面だ。
わたしがたべものに興味があるからかもしれないけど、
ひとがどんなふうに生活しているかが、
じっさいに目にするとたのしい。
村上春樹さんの小説も、なにをどうやってつくり、
どのようにたべたかが いつもくわしくかかれている。
そうした具体的な場面をよむのがわたしはすきだ。

食事や寝室でのおしゃべりは、
映画がいろいろおしえてくれる。
映画にでてくるのは、
かならずしも高級フランス料理店だけではない。
安食堂では安食堂でのふるまい方がある。
ベッドでのうごきは、個人的ないとなみなので、
なかなかほかのひとのやり方を観察する機会はない。
みたところで、参考にならない気がするけど、
きっとあちこちでしいれた 断片的な情報に影響をうけて、
しらずしらずのうちに パターン化されたひとまねをしているのだろう。

ネットをみると、ベーコンの肉汁でタマゴをやくから、
映画でやっていたようなつくり方になるみたいだ。
日本のスーパーでかう、うすいスライスベーコンだと、
ベーコンとタマゴをはなす意味がわからない。
かたまりのベーコンをつかうからこそ
肉汁がしみでてくるのであり、
肉汁あってのベーコンエッグなのだった。

posted by カルピス at 21:27 | Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする