けさの朝日新聞に、
「『北斗の拳』だけ読める電子版」
の記事がのった。
この末端は、ネットにつなげられない。
よめるのは、「北斗の拳」だけと
機能をしぼったところがミソだ。
わたしはだいぶまえのブログに、
村上春樹作品をあつめた末端がでないだろうか、
とかいたことがある。
この場合は、村上春樹作品だけ、ではなく、
ほかの本をダウンロードする機能もあるわけだけど、
今回こころみられたのは、
くどいようだけど、「北斗の拳」だけよめる末端だ。
すばらしいアイデアだとおもった。
紙の本と、電子末端のいいとこどりが、
こんな形で実現するなんて。
おもしろいことをかんがえるひとがいるものだ。
電子末端は、ほかにも いろんな形でのすみわけが 期待できる。
開発したベンチャー企業によると、
「電子末端が進化しすぎて紙で読みたい人にマッチしていない」
とかんじたことから この商品をつくったのだという。
たしかに、わたしのまわりにも、
いまだに電子末端をもっているひとはおらず、
これはまあ、本をよまないひとがおおいからかもしれないけど、
本がすきなしりあいにたずねても、
電子末端にはなんとなく抵抗があるみたいだ。
「北斗の拳」だけの末端は、
全集をそろえても場所をとらないし、
それでいて「所有する楽しみ」も かなえてくれる。
人気長編や全集などを ほかの作品でも
一冊(というか、ひとつの末端)にまとめたら、
興味をもつひとが かなりの数みこめそうだ。
そうやって、電子末端へのアレルギーがうすまれば、
そのあとは、多機能の末端をかい、
気にいった作品をネットからダウンロードすればいい。
「北斗の拳」だけ末端は、まだ一般販売されていない。
値段についても今朝の記事にはかいてなかった。
開発した会社は、クラウドファンディングで資金をあつめ、
ある金額以上の出資者に、まずこの末端をおくったあと、
一般にむけて販売していく予定だという。
紙の本とおなじようによめ、
場所をとらず、全巻としては値段もやすければ、
ファンとしてはありがたいこころみだ。
これはもう、電子末端というよりも、
かぎりなく紙の本にちかい。
シンプルな「◯◯だけ」末端になれてしまえば、
多機能の電子末端まで あと一歩だ。
いちどネットからダウンロードしてみれば、
そんなに敵対視しなくてもいい道具だとわかるだろう。
将来的には、ネットにつなげない末端だけでなく、
ふつうの末端に、全集をだきあわせるやり方での
本づくりもとりくまれるだろう。
わたしがねがっていた村上春樹全集末端みたいに。
電子末端が、ネットでの利用にみきりをつけ、
紙の本をめざしてつくられた、という発想がおもしろい。
これまでとちがう電子末端のつかい方が、
本の可能性をひろげていきそうだ。