師匠としてあがめている ある女性の影響だ。
きのうはひさしぶりに彼女とおしゃべりした。
きょねんあったときに、
サンチャゴ=デ=コンポステーラ巡礼を話題にだしたら
彼女はつよい関心をしめし、あとからネットでしらべたという。
で、きのうまたサンチャゴ巡礼についてたずねたら、
こんどの5月にいこうとおもう、というからおどろいた。
すごくうごきがはやい。
2ヶ月で1600キロをあるくという、
サンチャゴ巡礼の魅力はたしかにあるけど、
けしてそれだけではなく、
きょねんの秋に、仕事がちょうどひとくぎりついたと
自分で納得できたのがおおきかったという。
それから職場にやめるはなしをなんどもだして
さいきんやっと了解までこぎつけたそうだ。
わたしは話題としてあちこちで
サンチャゴ巡礼のはなしをするけど、
まだまだ漠然とした予定でしかない。
むすこへのしおくりがあと2年、
そして旅行資金をためるために1年はたらくとして、
はやくても出発は3年さきになるとかんがえている。
そんなノロノロとしたわたしなんかとちがい、
彼女はさっさと行動にうつしていく。
クツやリュックはもうめぼしをつけているという。
雨の日にあるく場面を想像すると、
どんなクツにするのかはすごくだいじだ。
リュックのサイズをたずねたら、
30リットルにおさまる荷物におさめるそうだ。
サンチャゴ巡礼の写真をみると、
もっとおおきなリュックをせおったひとがおおい。
それを30リットルにおさえようとすると、
かなり禁欲的な選択が必要になるだろう。
わたしだったら、パソコンと電子書籍末端、それにスマホと、
ずるずると荷物がふえるだろうけど、
彼女は基本的にそうした器具はつかわないひとなので、
30リットルにおさめるパッキングができるのだろう。
旅行はかんがえたらできないと、宮田珠己さんがかいている。
何のために、なんて考えていると、旅はいつまでたっても始まらない。意味を考える前に計画をたて、結論が出る前に出発してしまう。これが大切である。『だいたい四国八十八ヶ所』(宮田珠己・本の雑誌社)
かんがえていると、ほんとうに いつまでたっても出発できない。
あとのこと、さきのこと、将来のことは とりあえずほっておく。
彼女は老後のことなんて心配していない。
手にするお金の範囲でくらしていけばいいとおもってます、
と彼女はいった。
あるくだけでなく、彼女は人生の師匠でもある。