マリナーズへ6季ぶりに復帰すると
けさの朝日新聞がつたえている。
なかなか契約がきまらなかったが、の質問にたいし、
イチロー選手はこうこたえている。
僕は泰然とした状態だった。泰然という状態は、プレーヤーとしても人間としても、目指すべき状態であったので、そういう自分に出会えたことはとてもうれしかった。
あせりや欲望に気もちを支配されず、
ただ 自分がやるべき準備をおこたらないで
たんたんと開幕をまっていたイチロー選手。
泰然だったからこそ、マリナーズから声がかかり、
契約まではなしがすすんだ。
イチロー選手は、しずかによろこびをかたるけれど、
けしておおはしゃぎしたりしない。
なにしろ、泰然なのだから、あるがままをうけいれる。
「泰然とした状態を目指す」といっても、
じっさいには なにをすればいいのだろう。
きっと、その状態になったときに
自分はいま泰然であると気づくのであり、
具体的なノウハウはおろらくない。
イチロー選手にしても、44歳にして
ようやくたどりついた状態であり、
イチロー選手の有名な試合前のトレーニングや
入念なからだの手いれを、
長年つづけたからこそ おとずれた境地だ。
試合の日にかならずたべるというカレーライスに、
泰然にむけた効果があるのか 気になるけど。
きのうの記事でとりあげた
横尾忠則さんの「すべては未完である」を、
イチロー選手の泰然にてらしあわせると、
泰然だからといって、それがゴールなのではない。
ゴールだと、固定してしまうと、
コロコロかわる状況に 柔軟な対応ができなくなる。
糸井さんが「今日のダーリン」のむすびにかいていた
「おれはおれを直さない。直っていたら、それをも直さない」
が、泰然とのただしいつきあい方だ。
自然と泰然になっていたなら、それをなおす必要はないけど、
泰然になるために なにかをしなくてもいい。
わたしも、いまの状態が泰然のような気がするけど、
おそらくただのかんちがいだろう。
でも、ほんとうの泰然に、なろうがなるまいが、
どうでもいいことだと、わたしはさとってしまった。