これまでおなじ法人としてやってきたひとつの部門が
今年度から独立して別の法人となった。
とはいっても、事業所の名前はそのままひきついでいるし、
利用するひともいっしょなら、やっている内容もお弁当製造と、
これまでとほとんどかわらない。
その事業所はお弁当のほかにおにぎりの販売もちからをいれており、
クッキーをつくるわたしたちと、これまでは協力しあう関係にあった。
おなじテーブルに、クッキーとおにぎりをならべてうるわけだ。
どちらかの職員がつけないときは、
もう一方の事業所が無料で販売を手だすけする。
それが、別の法人になってしまったので、
わたしたちがクッキーをうりながら おにぎりもあつかうときは、
手数料をとるべきだろうか、という問題がでてきた。
手間賃として、1割か2割をひいて納品するのが筋なのか、
そんな水くさいことをいわず、これまでどおりに
手数料なしでやればいいじゃないか、という方針でのぞむか。
8掛けで納品し、手数料をさしひかれるのは
めんどくさいだけでなく、うりあげもすくなくなる。
もともと100円しかしないクッキーとおにぎりなので、
ひとつうって100円はいるのか、
8割の80円しかのこらないかでは、ずいぶんちがってくる。
たかだか100円のクッキー販売においても、
すんなりはなしはきまらず、ああだこうだと
いろんな意見がとびかった。
けっきょく、これまでどおり、手数料なしでのあつかいとなる。
おたがいさまなので、お金はとらず、販売を協力しあうわけだ。
ちいさな事業所の、たかだか100円の商品販売においてさえ、
まっすぐことはすすまないのにおどろいた。
これが、国と国のとりきめとなれば、
さらにものすごくややこしくなるにちがいない。
最近、アメリカのトランプ大統領が、
中国への貿易制裁を発表し、
中国はその報復措置として、アメリカの製品に
たかい関税をかけた。
トランプ大統領や習近平書記長みたいなかけひきは、
おたがいさま、まあいいじゃないか、
とかんがえるわたしと対極にある。
なにも100円のクッキーとおにぎり販売をどうするかの議論から
あらためてまなぶほどのことではないけど、
どちらがただしいかよりも、
ぜったいに自分はまちがっていないと ゴリおしする姿勢を
きゅうにこのましくおもうようになった。
気のよわいわたしには、とてもできない。