1キロ580円の梅を4キロかってきて、梅ぼし用につけた。
きょねんは梅をかうのがおそくなり、
1キロ1280円もする南高梅しか スーパーの棚になくてこまった。
そんなりっぱな梅である必要はないのに、
梅がなければつけられないので、しぶしぶ3キロかった。
その教訓から、ことしははやめに梅を確保する。
15年くらいまえから梅ぼしをつけるようになった。
梅ぼしをしこんでいる自分、というのがわたしはすきで、
いかにも勤勉に、ていねいに、
手をぬかないで生きているような気がしてくる。
梅をひとばん水につけ、朝になったらザルにあけておく。
梅酒づくりじゃないので、ヘタをとったり、
つまようじで穴をあけたりはしない。
おおきめの容器に梅をいれながら、塩をくわえる。
塩は、梅のおもさの20%にすると、カビがはえにくい。
さいごにおもしをのせ、ほこりがこないように
ビニール袋をかぶせて部屋のすみにおいておく。
おもしは梅の倍のおもさにすると、
はやく水がでてきてカビがきにくくなる。
一週間たったら梅をザルにあけ、いちにち日にあてる。
梅からでた水でシソの葉をあらい、
梅をしまうときにいっしょに容器にいれる。
そのまま一ヶ月おき、さいごに3日間 梅をほしたらできあがり。
魚柄仁之助さんの『元気食実践マニュアル』(文春文庫PLUS)
にのっているやり方だ。
以下の3点さえおさえておけば、まず失敗しない。
・容器をあらってからよく消毒する
・塩は梅のおもさの20%
・おもしは梅の2倍くらいあったほうが
はやく水があがってカビがきにくい。
わたしは料理をつくるとき、レシピをまもれずに、
いいかげんなできあがりにしてしまう。
めんどくさい下準備は省略したり、
材料もあるものだけですませるので、
味とみかけがずいぶんちがう(たぶん)ものしかできない。
ただ、梅ぼしだけは、塩分とおもしくらいしか、
おさえるところがないので、わたしでもまちがえずにつくれる。
もうひとつ、めんどくさそうにみえるけど、
やってみたらかんたんなのが、ミソづくりだ。
大豆と塩とコウジをまぜればできあがり。
そのわりあいによって、あまくちだったり、
しょっぱかったりするけど、ひどい失敗作にはならず、
どうつくっても、それなりにおいしいミソができあがる。
今夜しこんだ梅は、5週間たてばたべられる。
梅ぼしは、もちろんスーパーでかえるけど、
へんにあまかったり、いろんなかくし味がはいっていたりで、
塩につけただけのふつうの梅ぼしは意外とみつからない。
自分でつけた梅ぼしがわたしはいちばんすきなので、
めんどくさがりながらも、なんとかつづけている。