きのうのWカップコロンビア戦では、
相手選手とルーズボールをめぐってのプレーで
長谷部がファールをとられた。
リプレイをみると、ファールをおかしたのは
むしろコロンビアの選手のほうだ。
コロンビアへレッドカードをだしたあとなので、
主審としては バランスをとるために、
日本にファールがでやすい状況だったとはいえ、
長谷部には酷な判定だった。
Wカップをみていておもうのは、
どうやったら審判がファールをとるよう じょうずにたおれるかを、
選手たちは、まるで役者のように きそっているみたいだ。
足がかかっていなくても、ぜんぜんいたくなくても、
ものすごくおおげさにたおれ、
理不尽なプレーをうけたとうったえる。
屈強なからだつきをしたおおきな男たちなのに、
自分が有利になるよう、はでな芸をみせて主審にアピールする。
あなたたちは、はずかしくないのかと わたしはおもう。
日本が日本のサッカーを世界にうちだすときに、
プレースタイルはともかくとして、
フェアプレーと、むやみにいたがらないという線で、
世界にアピールできるのではないか。
武士道の精神からいえば(たぶん)、
いたくないのに、いたいふりをするのは、
自分にたいしてはずかしい身のふりだ。
おもいおこせば、2011年の女子Wカップでのなでしこたちは、
フェアプレーとともに、やたらとたおれないプレーが
男子サッカーをみなれた目に新鮮だった。
男子はなんであんなにおおげさな「芸」をみせたがるのか。
ついでにいえば、ポルトガルのロナウドは、
たしかにすぐれた選手なのだろうけど、
あまりにも自分がかちたいという意識がつよすぎて、
まけずぎらいのおぼっちゃまにみえる。
たかだかサッカーなのだから、
そんなにおもいつめた顔つきをしないで、
のびのびとプレーして(あそんで)ほしい。
Wカップ特集の一環で、1974年西ドイツ大会の決勝、
西ドイツ対オランダの試合をNHKが放映していた。
クライフと、ベッケンバウアーのプレーを はじめて映像でみる。
戦術は、いまのほうがすぐれているのかもしれないけど、
選手のテクニックは、当時すでにすごい。
あたりもはげしけど、審判は、めったなことでは笛をふかず、
試合をとめずにながしている。
ファールをアピールしても、どうせききいれられないので、
選手たちは、役者になることなく、プレーに専念している。
長谷部のファールがあいてにあたえたフリーキックにより、
コロンビアは同点においついた。
ジャンプした壁の下をとおるひくいシュートが、
ゴールキーパーの川島をあざわらうように、
コロコロとゴールラインをこえた。
さほど強烈なシュートではなかったのに、
おさえきれなかった川島は、ずいぶんかっこわるかった。
日本は1点をうしなってしまったけど、
このさきにある試合をかんがえると、
川島のパフォーマンスがじゅうぶんでないのを
まわりが認識できた貴重なフリーキックだった。