2018年07月13日

『負け犬の遠吠え』から15年

「家族」のありかたについてかんがえる記事が
朝日新聞で連載されており、
「単身社会編」の最終回に
酒井順子さんのはなしがのった。
2003年に『負け犬の遠吠え』が出版されてから15年たち、
酒井さんもいまではりっぱな「負け犬」だ、
とおもっていたら、記事のなかで酒井さんは、
 
 私は縁あって40代を目前にしてパートナーに出会い、一緒にすんでいますが、結婚はしていません。

と、意外なカミングアウトがされている。

「負け犬」のりっぱなリーダーとして、私淑していた酒井さんに、
特定の相手がいたのはショックだった。
あこがれていたアイドルに、恋人がいたみたいなものか。
未婚だけどパートナーがいる、というのは
「負け犬」の定義からしてどうなのだろう。

この15年のあいだに、「負け犬」をめぐる状況は、
酒井さんが予想していたかのように、
ますます未婚へとうごいた。
「負け犬」は、メス犬だけでなく、
当然ながらオス犬だったいるわけだけど、
世間の目は、メスの「負け犬」ばかりにそそがれている。
結婚しない(できない)男なんて、だれも関心をもたず、
子どもをうんでくれる(はずの)女性ばかりにプレッシャーがかかる。
そんな社会で、『負け犬の遠吠え』が出版された意味は
はかりしれない。
「負け犬」というひとたちがいること、
けして結婚したくないわけではないのに、
いろんな理由から相手をきめきれないこと、
男は、ただたんにダメな場合がほとんどなこと、
などがつまびらかにかたられた。
『負け犬の遠吠え』を座右の書として、
メスの「負け犬」たちが、
横暴なおじさん(おばさんもか)にいじめられることなく、
すこやかに生きていくことをねがっている。

posted by カルピス at 21:36 | Comment(0) | 酒井順子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする