「九州の味『うまかっちゃん』5種食べ比べ」がのった。
http://portal.nifty.com/kiji/180723203475_1.htm
タイトルにあるとおり、袋ラーメンの「うまかっちゃん」を
たべくらべる企画だ。
木村さんは、ことしの5月、
キャンプしながら九州北部をまわったとき、
この「うまかっちゃん」にお世話になったという。
こんかい、たべくらべるにあたり、
九州旅行とおなじ環境となるよう、
わざわざキャンプ場にスーパーカブとテントをもちこみ、
ガスバーナーとコッヘルで「うまかっちゃん」をつくっている。
たべくらべの結果は、ぜひ記事をごらんいただきたい。
わたしが感心したのは、3種類をまずたべ、
おなかいっぱいになったから、といって
キンドルをよみながら時間をすこしあけたのち、
また2種類の「うまかっちゃん」をたべている木村さんの胃袋だ。
何時間あけたかはかかれていないけど、
たとえひるごはんと夕ごはんで たべたとしても、
いちにちに袋ラーメン5つはすごい。
わたしもわかいころはずいぶん袋ラーメンのお世話になったけど、
いちにちに5つをたべるほどの食欲はなかった。
たべくらべの結果は、というと、
それぞれに特徴があって甲乙が付け難いが、強いて言えば私が一番好きなのはからし高菜だろうか。いや、にんにくがガツンと効いた火の国流も良かったし、とんこつ特有の香りを一番堪能できるオリジナルも……うーん、ナヤマシイ!
わりとありきたりで、とくにつよい主張はなく、
どれもそれぞれにうまかった、という感想におちついている。
けっきょく、たべくらべというよりも、
なつかしの「うまかっちゃん」を、ひさしぶりに
堪能するために企画したようにみえる。
「うまかっちゃん」がどうのというよりも、
木村さんの健康な胃袋が印象にのこる記事だ。
旅行をするならその土地のたべものをたべたいもので、
木村さんもひるはちゃんぽんやトリ弁当、
さらにはかき氷の「白くま」をひいきにしていた。
「うまかっちゃん」をたべたのは、
だから夕ごはんが中心となる。
旅行ちゅうの夕ごはんが、袋ラーメンを中心にというと、
まずしい食生活をイメージしてしまうけど、
それを3週間つづければ、木村さんの記事のように、
りっぱな食ルポとなる。
わたしが旅行するときも、いきさきがどこであれ、
屋台や安食堂が中心で、基本的におなじものばかりをたべている。
これは、その国のことばができないため、
いちどおぼえた料理名をくりかえしたり、
テーブルにならんだおいしそうなおかずを
指さしでお皿にいれてもらったりする結果、
いつもおなじものばかりの食事になるからだ。
木村さんの記事をよむと、それでも食ルポをかけるのがわかる。
いろんなものを、はばひろくたのしむのもいいけど、
おなじものをたべつづける一点集中型は、
それはそれでひとつのスタイルとなる。
けっきょくは どうとりあげるかが問題であり、
自分がこころをうごかされた たべものがあれば、
木村さんみたいな ちからづくの記事が成立する。
地味だけど、一点集中のため、
ほかの記事にはない迫力が魅力だ。