「音楽遊覧飛行・映画音楽ワールドツアー」を
車のラジオできいていたら、
今回のテーマは「おどろきの結末」だという。
ラストでおどろかされるといったら、
なんといっても『スティング』だろうと予想していると、
ほんとうに『スティング』について
司会の紺野美沙子さんがはなしだした。
たいして本数をみていないわたしの予想があたるなんて、
紺野美沙子さんのベタな選曲がうれしくなる。
わたしはこの作品を、映画と原作で、
それぞれ何回かずつ みたりよんだりしたけど、
そのたびにまえの記憶をほっぽりだして、
またあらたにだまされてしまう。
もしほんものの詐欺師にあえば、
わたしはなんどでもおなじやり方にひっかかるだろう。
映画では、かけだしのチンピラをロバート=レッドフォードが、
いちど足をあらったベテランの詐欺師を
ポール=ニューマンがえんじている。
最高におしゃれで、なんどみてもたのしい作品だ。
原作では、フッカー(レッドフォード)が、
安食堂のウェイトレスをしつこくさそい、
「仕事は何時におわる?」とききだそうとするするのに、
「気にしないで」とあっさりかわされてしまう場面がすきだった。
それ以来、「気にしないで」をそんなふうにつかいたいのだけど、
いまだにそのチャンスがこない。
映画つながりで、むりやりこじつけると、
脚本家のニール=サイモン氏が8月になくなった。
高校生のとき、サイモン氏の原作による
『グッバイ・ガール』をみて、だいすきな作品になった。
すぐに男ににげられるポーラとひとりむすめのルーシー。
さっぱり芽がでない役者のエリオット。
ポーラをすてた男は、アパートの権利までエリオットにゆずっており、
ポーラは不本意ながら、3人での共同生活をうけいれる。
おとなだけでなく、8歳の女の子、ルーシーまでが、
気にきいたセリフをさらっときめる。
わたしがすきなのは、こういう作品だと、
『グッバイ・ガール』によって気づく。
ラストでポーラはまたすてられそうになるけど、
エリオットは、ポーラを手ばなしはしなかった。
すきな作品はいろいろあるけど、
『スティング』と『グッバイガール』、それともうひとつ、
『パルプ・フィクション』をくわえたら、
だいたいわたしのこのみが
わかってもらえるのではないか。