きのうにつづき、あるきの師匠のはなし。
きょうは師匠をさそって ながめのウォーキングにでかける。
松江市の中心をながれる大橋川にそってすすみ、
橋をわたって ぐるっと一周するコースをえらんだ。
1キロを11分のペースで、23キロを4時間38分かけてあるいた。
松江城ちかくにできた「おつまみ研究所」で
ビールをのみ、観光客の気分をあじわう。
まえからいってみたかったお店に、
またとない状況ではいれたのがうれしかった。
気もちよくながい距離をあるくのは、
かんがえてみると、なんてぜいたくなあそびだろう。
あるいたのは4時間38分でも、
休憩や昼ごはんをいれると6時間半もかけてあそんでいる。
たいていのスポーツ観戦よりも ながい時間からだをうごかし、
たわいのないおしゃべりをたのしむ。
それができるからだなのを ありがたくおもう。
きのうのランスマでは、
何ヶ月もはしれなかったひとが
どうやって復帰したかをとりあげていた。
ケガだけでなく、仕事がいそがしかったり、
出産ではしれなかったりと、さまざまな理由から
おおくのひとがはしれなかった時期を体験している。
以前は1キロを3分きってはしっていたランナーでも、
出産によるブランクで、
7分くらいのペースでしかはしれなくなったり、
ケガであるくことさえできなくなったひと。
わたしなんかは、だんだんおちていくタイムに
グチをいったりするけど、
はしれないくるしみを体験したことはない。
レベルはひくくとも、あたりまえのように
はしったりおよいだりできるしあわせをおもった。
あるいているさいちゅう、師匠からは、
サンチャゴ巡礼のはなしをききだした。
こまかなノウハウよりも、巡礼を話題にしてのおしゃべりだ。
いちにちに20〜30キロあるき、
宿にはいって荷物おろし、ほっとひといきつくと、
師匠はまた町の散歩にでかけるので、
まわりのひとがあきれていたそうだ。
筋金いりのあるくひとなのに感心する。
巡礼ちゅうの韓国人マッサージ師に
足をもんでもらったら、
「あなたの足はあるくのにとてもむいているから、
ぜひヒマラヤの山をのぼりなさい」
ともいわれたという。
土ふまずのかたちからわかるらしい。
いったいどれだけあるけるのか、
師匠の底しれぬあるくちからがうかがえる いいはなしだ。